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保育園と幼稚園にはどんな違いがあるの?制度や仕事内容などを徹底比較!|保育士求人募集なら保育ぷらす
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保育園と幼稚園にはどんな違いがあるの?制度や仕事内容などを徹底比較!
今回のポイント
保育園と幼稚園は、そもそも何が違う?
保育士と幼稚園教諭は、働き方にどんな違いがある?
保育園と幼稚園、どちらを選べばいい?
目次
そもそも、保育園と幼稚園にはどんな違いがあるの?
保育園とは
保育園は保護者の労働、疾病、介護、出産前後などの事情で、日中子どもの保育ができない場合に預けることができる施設です。保育園の正式名称は「保育所」といい、厚生労働省が管轄しています(以後、この記事内では保育園と表記します)。保育園は児童福祉法第39条で以下のように定義されています。
「保育を必要とする乳児(概ね生後6か月以上)・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする施設(利用定員が20人以上であるものに限り、幼保連携型認定こども園を除く。)」
保育園で働くには、保育士免許(国家資格)が必要です。保育園はさらに、「認可保育園」と「認可外保育園」の2つに分かれます。
認可保育園とは
認可保育園は、国が定めた設置基準を満たし、都道府県知事に認可された施設をさします。設置基準には、施設・敷地の面積、保育士の数、園内の設備、衛生管理などがあります。認可保育園は公的な施設であるため、国や自治体から補助金が給付されており、これと保育料を合わせて運営されています。
認可保育園は、公立(市区町村が運営)と私立(個人や株式会社、NPO法人、社会福祉法人など)のものに分かれます。地域型保育の一つであり、少人数での保育を行う小規模認可保育園も、この中に含まれます。
認可保育園の保育時間は、園によって多少前後あるものの、基本的に7:30から18:00までです。
2015年に施行された「子ども・子育て支援新制度」により、認可保育園では保護者の保育申請理由により、保育標準時間と保育短時間に分けられることになりました。これにより、保育標準時間は1日最大11時間、保育短時間は最大8時間までの利用と定義されています。(市町村によって異なります)
認可外保育園とは
一方、認可外保育園は、無認可保育園とも呼ばれ、認可保育園以外のものを総称しています。子どもの安全を守るために、保育内容、保育士や看護師・家庭的保育者の数、建物の設備などに「認可外保育施設指導監督基準」という厳しい基準が設けられています。あわせて、消防法、食品衛生法、労働基準法などの法令を遵守していることも必須です。
認可外保育園では、特に保育時間の規定はありません。国や自治体から認可されていないため、補助金の支給もありません。運営元が保育料を自由に設定するため、保育料が認可保育園と比べて高額になっています。園側が園児と親を選ぶこともできます。
認可外保育園は園独自の方針を打ち出しているところも多く、24時間保育を行っていたり、習い事のオプションが豊富であったり、特徴ある園も多くあります。
幼稚園とは
幼稚園は「子どもが初めて出会う学校」と位置付けており、文部科学省が管轄しています。幼稚園は学校教育法第77条の中で、「幼児を保育し、適当な環境を与えて、その心身の発達を助長することを目的とする」と定められています。
健康・社会・自然・言語・音楽リズム・絵画制作の6領域に分類し、教育する施設です。そのため、幼稚園で勤務するには、幼稚園教諭という教員免許が必要です。1日の保育時間は9:00から14:00までとしている園が多いですが、園によって若干の違いがあります。
保育園と幼稚園の違いとは
保育園と幼稚園の違いというと、保育園は「保育に欠ける場合に、保護者に代わって保育を行う場」、幼稚園は「就学前に教育をする場」ととらえる方が多いかと思います。
しかし、最近では、保育時間のほかに課外授業を行う保育園や英語に特化した保育園(プリスクール)もあり、保育園が「保育」に特化しているとはいえない傾向があります。
そのほかの違いでは、保育時間の長さを思い浮かべる方がいるかもしれません。しかしこの点においても、近年、延長保育を行う幼稚園が増えており、保育園との保育時間の差がほとんどない幼稚園も存在します。
このように、保育と教育、保育時間の長さなどの違いがなくなってきていますが、しいていえば、保育園は低年齢から通えるため、人としての基本的な生活習慣を身に着けることができる点が違いといえるでしょう。
保育士と幼稚園教諭、働き方はどう違うの?
保育士と幼稚園教諭、一覧表で働き方の違いを比較!
・保育士の仕事内容(1日の流れ)
主な仕事は、子どもに基本的生活習慣を身に着けさせることと、日常生活の補助です。 AM7:00 早番の職員が出勤 7:30 早朝保育開始、順次登園・あそび 8:30 通常保育開始、あそび、おやつ、クラス保育など 11:15 給食 12:15 お昼寝 ~14:15 お目覚め 14:40 おやつ 15:00 合同保育~お迎えで順次降園 16:00 延長保育開始(短時間保育)~あそび・おやつ 18:30 合同保育修了・延長保育開始(標準保育) 19:30 延長保育修了 |
・保育士の仕事内容(1日の流れ)
主な仕事は、子どもに基本的生活習慣を身に着けさせることと、日常生活の補助です。 AM7:00 早番の職員が出勤 7:30 早朝保育開始、順次登園・あそび 8:30 通常保育開始、あそび、おやつ、クラス保育など 11:15 給食 12:15 お昼寝 ~14:15 お目覚め 14:40 おやつ 15:00 合同保育~お迎えで順次降園 16:00 延長保育開始(短時間保育)~あそび・おやつ 18:30 合同保育修了・延長保育開始(標準保育) 19:30 延長保育修了 |
この業務の合間に、保護者との連絡帳の記入をしたり、突発的な子どもの体調不良に対応したり、事務仕事をしたり、保育士の仕事は多岐にわたります。
・幼稚園教諭の仕事内容(1日の流れ)
主に情操教育を主体とした保育になります。 AM7:00 園児が登園する前の職員ミーティング 7:30 登園バスの出発 8:15 バスの到着、園児の降車に伴って出迎え、身支度の手伝い 8:30頃~ 保護者に送迎される登園の出迎え、保護者対応、連絡帳や書類の確認など 9:00 朝の会、当番活動、自由学習、園庭あそびなど 10:00 全体活動(音楽、図工、運動)文字・言葉・数あそびなど 12:00 お昼ご飯(弁当、給食など)の準備、マナー教育など 13:00 自由あそびなど(この時間に、保護者との連絡ノートの記入) 14:00 帰りの支度 14:30 降園、送迎バス乗車・見送り |
このあと、延長保育を行っている幼稚園もあります。
園児達の降園後は、反省会・ミーティング・清掃・準備・事務作業などを行います。また、幼稚園は保育園に比べて行事が多い傾向にあります。そのために、行事の準備をする時期は業務量がさらに多くなります。
保育目的
保育園は、日中に保護者が保育を行うことができない乳幼児を保育するため、人として基本的な生活習慣を身につけられるよう指導をします。そして3歳児以上では、幼稚園と同じ環境になるように教育も行います。
一方、幼稚園では満3歳以上の幼児に対して、あそびや生活を通して学ぶ機会を提供する
総合的教育を実施します。
前項で述べた「子ども・子育て支援新制度」では幼保一体化が推進されており、幼稚園と保育園の保育内容は、以前ほど違いがなくなっています。保護者は、子どもを入園させたい園(幼稚園・保育園を問わず)を選択できるようになっています。
保育士とは
保育士とは、児童福祉施設で乳幼児の保育を行う人をさします。保育園で働くためには、国家資格である保育士免許を取得する必要があります。この免許を得るには、下記2つのいずれかの方法から選択できます。
1、都道府県知事が指定する、保育士を養成する学校その他の施設で所定の課程・科目を履修し卒業する。
2、保育士試験に合格する
どちらかに該当した人は、保育士登録・保育士証の交付を経て、保育士として勤務できます。
平成29年賃金構造基本統計調査によると、保育士の平均年収は342.1万円となっています。全職種の平均年収の491.2万円に比べると低くなっており、保育を支える保育人材を確保するため、さらなる待遇改善策が求められています。
幼稚園教諭とは
幼稚園教諭とは、幼稚園において、幼児と共により良い教育環境をつくり、義務教育及びそれ以降の教育への基礎をつくる教育を行う教諭をさします。
この資格は3種類あります。
一種免許…4年制大学卒業程度で取得可能
二種免許…短大・専門学校卒業程度で取得可能
専修免許…大学院修士課程修了程度で取得可能
幼稚園教諭の免許は3種類ありますが業務内容はあまり変わりません。しかし、園によっては給与面で差が出るケースがあるようです。幼稚園教諭の平均年収は、341.7万円です。(平成29年度賃金構造基本統計調査より)
結局、保育園と幼稚園はどちらの方がいいの?
ここまで、保育園と幼稚園の違いを見てきましたが、実際にどちらを選択するか考えるとき、どのような点に考慮したらいいのでしょうか。
子どもを入れる場合
保育園
保育時間が長いため、フルタイムで働きたい人や、保護者が病気で子どものお世話が十分にできない人は、保育園が向いているでしょう。保育園は幼稚園に比べて園行事が少ない、夏休みなどの長期休暇が少ないといったことも、仕事を長期間休めないママにはメリットといえます。
また、保育園の場合には、保育までの送迎は自分で行わなければなりません。子どもの人数が多い家庭や天候が悪い日には、やや負担になるでしょう。
保育料は、保護者の収入・世帯の人数・子どもの年齢などに応じて決まりますが、たいていの場合は安価になります。世帯収入が低い家庭や、通わせたい幼児が複数いるならば、保育園が良いでしょう。
幼稚園
保育園に比べて保育時間が短く、園行事も多いので、子ども同士だけでなく保護者同士の交流も盛んになります。ママがパートタイム勤務や専業主婦の方には向いているといえるでしょう。
最近では、預かり保育を行う幼稚園もあるので、通わせたい幼稚園がある場合にはこうした制度があるか、事前に調べておくと良いでしょう。
幼稚園では送迎バスを利用できるところが多いので、天候に左右されず安全に園まで通うことができます。最近では、放課後の特別教室を実施している園が多く、別途習い事に行く必要がない園も増えています。
保育料は世帯収入に関係なく一律なので、子どもが多い家庭にとっては経済的負担が大きくなるでしょう。市町村によっては補助金が出る場合もありますので、お住まいの自治体を調べておくと良いでしょう。
園で働こうと思っている場合
保育園
保育園は、園児の年齢層が幼稚園よりも幅広いので、保育士は各年齢に合った保育を行わなければいけません。臨機応変に、あらゆる場面に対応できる柔軟な姿勢・体力・責任感・コミュニケーション能力などが必要です。
保育園では乳児保育ができます。赤ちゃんの保育に携わりたい方や、子ども達に基本的な生活習慣を身に着けさせる保育をしたい方には向いているといえるでしょう。
幼稚園
幼稚園は、年間カリキュラムが決まっている場合がほとんどです。そのため、決まったことをきちんとこなしたい人が向いているでしょう。勤務は、基本的には土日休みで、平日はだいたい決まった時間に退勤できます。
ただし、行事ごとの準備は多忙になるため、行事前には勤務時間が長くなることもあります。また、行事の準備は細かい作業が多いため、手先が器用な人や細かい作業が好きな人も向いています。
保育園・幼稚園のどちらにせよ、園ごとに仕事内容や待遇などが異なるので、事前に問い合わせをして、検討しましょう。
保育園と幼稚園以外の施設にはどんなものがあるの?
乳幼児を通わせることができる施設は、保育園・幼稚園以外にもいくつかあります。
認定こども園
平成18年10月に創設されました。教育と保育を合体させて行う施設で、保育園と幼稚園それぞれのメリットを持っています。ここで働くには、保育士・幼稚園教諭の両方の資格が必要ですが、どちらかの資格を持っていると、もう一方の資格試験を受ける際に優遇措置がとられます(平成32年3月までの経過措置)。
認定こども園には、4つの形式があります。
・幼保連携型
幼稚園の機能と保育園の機能を両方持つ一つの施設として、認定こども園の役割を果たす
・幼稚園型
認可幼稚園が、保育が必要な子どものために保育時間を確保するなど、保育所の役割も持つ
・保育所型
認可保育所が、保育ができない子ども以外の子どもを受け入れ、幼稚園の役割も果たす
・地方裁量型
幼稚園・保育所が両方ともない地域の教育・保育施設が、認定こども園としての機能を持つ施設
放課後等デイサービス
6~18歳の障害のある児童・生徒が、学校の終了後や長期休暇に通える福祉サービスです。「障害児の学童」とも呼ばれています。放課後等デイサービスには、児童発達支援管理責任者という資格を持つ人員の配置及び指導員の勤務が必要ですが、責任者は保育士または幼稚園教諭の実務経験を満たすことが必須です。
児童発達支援管理責任者…利用者の個別支援計画を作成し、支援のプロセスを管理・評価する
指導員…個別支援計画に基づいて、適切な技術を持って支援を行う
放課後等デイサービスを利用する際は、市区町村発行の「通所受給者証」があれば、利用額の9割が自治体負担で、自己負担は1割となります。
プリスクール
英語で保育を行う、認可外施設です。早いところでは0歳児から預けることができます。1日の全てを英語で生活するオールイングリッシュと、日本語教育と合わせたバイリンガルがあります。プリスクールは一般的な保育園・幼稚園と比べて、多彩なカリキュラムを揃えているスクールがほとんどです。
また、インターナショナルスクールとの違いは以下のとおりです。
インターナショナルスクール…外国人の子どもや帰国子女を対象としている
プリスクール…日本人の子どもを対象としている
英語教育への関心が高まるにつれて、プリスクールもインターナショナルスクールに近い環境を提供しているところが増えています。
おわりに
そして、ママは子どもが入園してからの生活を、園で仕事することを検討している方は、子どもと接しているときの自分の姿を思い浮かべてみましょう。子どもも先生も、毎日笑顔で過ごせる園に通わせてあげたいものですね。/soukatu]
参考資料
一般社団法人全国保育士養成協議会
https://www.hoyokyo.or.jp/exam/qa/01.html
文部科学省
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youji/yotien/panf/panf1.htm
保育所保育指針解説書
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/hoiku04/pdf/hoiku04b.pdf