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家賃補助月額82,000円!各自治体の保育士給与改善の取り組みがすごい|保育士求人募集なら保育ぷらす
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家賃補助月額82,000円!各自治体の保育士給与改善の取り組みがすごい
目次
13歳のハローワーク 公式サイトによると、2017年2月の人気職業ランキングのトップ10は下記のようになっています。
1位 プロスポーツ選手
2位 ゲームクリエイター
3位 パティシエ
4位 薬剤師
5位 ファッションデザイナー
6位 医師
7位 保育士
8位 編集者
9位 看護師
10位 美容師
7位にランクインしている保育士は、非常にやりがいのある親しみやすい職業として、常に「なりたい職業ランキング」の上位にランクインしています。
しかし、実際に現場で働いている人の声を聴くと、給与と労働環境のバランスがとれていないことから、資格を持っていても保育士として働くことを選ばなくなったり離職する人が後を絶ちません。
この問題を真摯に受け止め、国や自治体は保育士の給与・労働環境の双方から、待遇改善を図る動きをみせています。
今回は、今後の保育士の労働環境と給与に関してどんな期待ができるのか、気を付けるべきことなどを深堀していきます。
保育士の現状
平成27年の保育士の年収 基本情報
・平均年収:323万円
・平均月収:22万円
▼参照「年収ラボ」
http://nensyu-labo.com/sikaku_hoikusi.htm
大半の保育園は大体朝7時から夜7時くらいまでの12時間開園しており、働く保育士はシフト制で勤務していることも多いのが現状です。
しかし、保護者に子供たちの園での様子を伝えるための連絡帳を書いたり、お遊戯会などのイベントがある際は衣装を用意するなど、残業が多いことが有名です。
また、体力仕事ということもあり、オフィスワークと比較するとゆっくり休憩を取ることは難しいでしょう。
このような条件の中で、平成27年の保育士の平均月収は22万円と年収ラボでは発表されていますが、これは公立保育園に公務員保育士も含めています。私立保育園で働く保育士が大半を占めますので、実際にはもっと月収が少ない保育士がほとんどでしょう。
また、総支給額から各種税金や給食費など、およそ20%分が差し引かれるため、20~24歳の社会人歴が浅い保育士の平均手取り額は14.8万円とも言われています。
これでは家賃などの生活費をカバーするだけで貯金をする余裕はないでしょう。
なぜこんなに保育士の給与は低いのか?
多くの保育園は運営状態がギリギリです。その限られた運営費から保育士の給与に充てられるため、経験年数を重ねても給与が大きく上昇することはなく、新米の20代とベテランの40代の保育士の給与を比較しても、100万円ほどの給与差しかないのです。
このように過酷な労働環境の上、給与がその条件をカバーするには足りなさすぎるので、子どもが好きでも保育士を続けられない人が多くいます。
保育士資格を持っていながらも保育士として働いていない潜在保育士数は76万人以上とも言われています。このままでは待機児童問題の解決もほど遠いでしょう。
保育士の給与引き上げが政府から発表!今後どうなる?
この春、政府より保育士の給与引き上げが表明されたのをご存知ですか?
実施するには様々な問題が山積みで議論が巻き起こっていますが、ついに国や自治体を挙げて保育士の処遇改善や待機児童の減少に向けて取り組みを始めたのです。
政府の取り組み
2016年4月26日に開かれた政府の1億総活躍国民会議において、安倍首相はニッポン1億総活躍プランに、保育士の給与を2017年から約6000円引き上げるという処遇改善策を盛り込みました。
また、経験を積んだベテラン保育士に対しては、月給4万円程度を手当するとしています。毎月6000円のアップや4万円に手当は積み重ねると大きいのでモチベーションに繋がりますよね。
各自治体の取り組み
政府の掲げた保育士の給与改善施策の後押しを受けて、各自治体もすごいスピードで改善策を提示しています。
≪東京都:月平均3万円以上引き上げ&住宅支援制度≫
待機児童問題が最も深刻な東京都は、2015年度予算案に、保育士の給与を最大で月平均3万円以上引き上げる取り組みを発表しました。
また、東京都の保育所では首都圏以外に在住の保育士を対象に、社宅や社員寮、住宅手当などの住宅支援制度を導入しています。主な住宅支援制度に「社宅」「社員寮」「住宅手当」があり、多くの保育所で積極導入されています。
経済的負担が減り、物件探しの不安もなくなって、煩雑な契約手続きを会社がしてくれるので精神的、時間的な負担も減りますね。同僚が近くに住んでいるというのも、何かあったときには頼れるので安心に繋がります。
≪世田谷区&千葉市:家賃補助月額82,000円≫
東京都の中でも待機児童問題でよく話題に上がる世田谷区では、経験5年以下の保育士を対象に、一人当たり月額82,000円を上限に家賃補助を出すことを発表しました。条件としては、所属する保育運営事業者が借り上げた住宅に入居することとなっています。物価が高い世田谷エリアで8万円を超える家賃補助は大きなインパクトですね。
千葉市でも世田谷区同様に家賃補助を月額82,000円出す案があります。認可または認定を受けた保育施設で働く保育士の住居を、雇用事業主が借り上げるスタイルです。
補助の内訳は、国が50%、市と保育施設が25%ずつとなっており、家賃補助は雇用開始日より5年間適応されます。保育士が自己負担なく入居できるのは魅力的ですよね。
≪船橋市:毎月3万円の修学資金≫
船橋市では、保育士養成修学資金貸付制度を導入しています。指定保育士養成施設に在学している学生で、卒業後すぐに市内で働く意思がある方に限り、毎月3万円の修学資金が借りられるという内容です。
卒業後に船橋市の保育施設で正規職員として就労しなかった場合や、指定する勤務期間に満たないまま退職した場合には返金義務が発生するので注意しましょう。本気で保育士を目指す学生にとってはありがたい制度ですね。
≪横浜市&福岡市:最大17,300円!?長く働くとお得な制度≫
横浜市では保育士として長いキャリアの保育士に対しては給与手当を支給することを発表しました。横浜市では、国による処遇改善等加算の補助金以外にも、勤続年数に応じて給与手当が増額する職員処遇改善費という独自制度が導入されています。
勤続年数が長いほど支給される金額も増えるため、保育士の定着に繋がっているので、預ける側としても、同じ保育士が子供を長くお世話してくれるのは安心ですよね。
福岡市でも勤続年数に応じて給料がアップする施策を挙げています。保育士の勤続年数によってまで支給する初任給調整処置費(月額900円~5,300円)と、勤務手当(月額1,000円~12,000円)があります。雇用された初年度から適応になるので、キャリアが長い人だけではなく新卒の人にも嬉しい制度です。
≪沖縄県:非正規から正規雇用になると補助金月額60,000円!≫
沖縄県では、非正規雇用の保育士を正規雇用化して離職者を減らし、保育士が職場に定着することを推進するための制度を導入しています。対象は県内の認可保育施設で、非正規から正規雇用になった場合は月額60,000円が補助金として事業者に支給されます。正規雇用にもなれて、補助金ももらえるのでモチベーションが上がりますね。
まとめ
今回は国や自治体の保育士給与改善の取り組みをご紹介しましたがいかがでしたか?
各取り組みはまだ始まったばかりなので、現場で働く保育士が早くその改善を実感できるようになってほしいものですね。
国や自治体が補助金をどこから絞り出すのか、それによって他にシワ寄せが起こらないように各施策と同時に周辺のケアも徹底する必要があります。
保育士の処遇が改善されると同時に、待機児童問題が改善しママ達の不安が少しでも早く解消されることを期待しましょう。