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保育×音楽のイベントに潜入!「サウンド園庭2017」レポート|保育士求人募集なら保育ぷらす
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保育×音楽のイベントに潜入!「サウンド園庭2017」レポート
目次
音楽ルームにDJ機材も!ユニークな仕掛けが目白押しの園内
白を基調とした、開放感あふれるデザインが目を引くしぜんの国保育園。まず筆者が驚かされたのが、その個性的な園内でした。入口にはカフェカウンターがあり、「ここって本当に保育園?」と思ってしまうような造り。
保育室も建築・音楽・美術・研究・演劇といった5テーマに分かれている個性的な造りで、音楽ルームには何とDJ機材まで置かれていました!音楽やアートを軸にしたイベントを開くだけあって、さすがの設備環境っぷりですね。
子どもたちも踊りだす!心あたたまるライブステージをレポート
さて、ここからはイベントのメインとなるライブの様子についてお伝えしていきます。
普段はランチルームとして利用されているステージには本格的な音響機器が備えられ、いつもと違った雰囲気に子どもたちも大はしゃぎ!踊ったり、駆け回ったりと自由に楽しんでいました。
保育を学ぶ現役高校生のバンド、「Francesca」
1組目のバンド、Francesca(フランチェスカ)のメンバーは何と全員が現役の高校生!
在籍中の学校にはカリキュラムの一環として「保育」の授業があり、そこで講師を務める齋藤紘良園長に今回招かれたそうです。
フレッシュさと確かな演奏力を合わせ持つ彼らの音楽には、子どもたちもじっくり集中。終演後には「うたのお兄さん、よかったです!」と声をかけにいく子も。子どもたちとの接し方にも、あたたかい雰囲気が感じられました。
子どもは喜び、大人は感動!園長自ら率いるバンド「COINN」
続いて2組目は、しぜんの国保育園・齋藤園長が自ら率いるバンド「COINN」。
一般的な楽器に加えウクレレやアコーディオン、ウッドベースなど幅広い楽器を織り交ぜたスタイルで、多彩なメロディを奏でています。
「チルドレン・ミュージックバンド」というフレーズの通り、曲のテーマは「ごはん」「ケンカ」「せんせい」など、子どもたちにも分かりやすいものばかり。時にはダンスや劇も取り入れるポップな雰囲気は、どことなく懐かしさを感じさせるものでした。
齋藤園長にイベントの感想を伺ったところ、「色んな人々が集まる場になり、非常に良かった。続けていきたいですね」とのこと。来年、再来年の開催にも期待できますね!
プロの保育者が語る!トークセッション「育ちを振り返る」
次のプログラムはバンドではなく、保育についてのトークセッション。プロの保育者として多方面で活躍する青山誠さんと、音楽家の信太美奈さんによる、「育ちを振り返る」というテーマの内容でした。
特に印象的だったのが、「子どもの間や余白を、大人が全て埋めてはいけない」という一言。
大人とは違った心を持つ子どもは、ケンカなども「正しい・正しくない」からしている訳ではないそうです。子どもなりの心に生まれる「間」や「余白」を汲み取って接するべきという、大人の考えでは気付けない大切なことを学べました。
ポップなのに実験的!不思議な音楽「イトケンwith SPEAKERS」
次に登場したイトケン with SPEAKERSは、何とドラム以外の全員がキーボードを兼任する珍しい編成。“架空の学園モノのサウンドトラック”をコンセプトとした、実験的ながらポップセンスに溢れた独特なバンドです。
コンポーザーを務めるイトケン氏は、相対性理論など個性派バンドのメンバーも兼任しています。その経歴に裏打ちされた唯一無二のセンスが存分に感じられるようなライブでした。
大人は感心し、子どもは踊りだすライブの模様は、まさにイベントのテーマである“子どもの場所へ、大人と共に”というフレーズそのものでした!
すべての人が聴き入る、静謐な「うた」の力。石橋英子
続く石橋英子さんのステージでは、それまでのポップな雰囲気とは違った、落ち着きある美しいムードに。ピアノとボーカルだけのごくシンプルな演奏ながら、音の豊かさと歌の美しさで会場全体を魅力する勢い。それまで元気に駆け回っていた子どもたちも、真剣な眼差しで見つめるほどです。
保育園という活気あふれる場と、静謐な音楽のコントラストが素晴らしく、思わず息を呑んでしまいました。しなやかさと力強さ、そしてトリッキーさが同居する曲の数々は、異国の音楽のようにも感じられます。
大所帯バンド・片想いが彩る、「あたたかく迎えられる」ステージ
大トリとなる8人組バンド、片想い。メンバーの複数が放課後デイサービスでの勤務経験を持ち、もともと児童福祉という分野には高い関心があったのだとか。演奏の中で、メンバーの方が扮装して子どもに折り紙を配る、という嬉しいサプライズもありました。
アッパーで楽しい雰囲気の曲から、スローで切ないナンバーまで幅広い演奏。笑って泣けるようなステージには、楽曲「レクリエーションソング」の中の歌詞“あたたかく迎えられるんだろう”というメッセージが込められていたように感じます。アンコールもあり、大盛況のままイベントを締めくくりました!
ボーカルを務める片岡シンさんにお話を伺ったところ、「一言でいうと、とにかく楽しかった!出店や他の演奏も素晴らしかったです。」と大満足の様子。片岡さんは東京・両国で「御谷湯」という福祉型銭湯を営んでおり、音楽と福祉の結びつきについても日ごろから考えているようです。
コーヒーや似顔絵、プログラミング玩具まで!?出店ブースにも注目
さて、ここまで大盛況のうちに終了したサウンド園庭2017のメインステージについてレポートしてきました。ですが、サウンド園庭の魅力はライブだけではありません!出店ブースもさまざまなジャンルが目白押しの、興味深い内容でした。
◆みなづき珈琲
地元のコーヒー屋さんのブース。何と豆を挽くのは子どもたち!大人はコーヒーの味を楽しみ、子どもはコーヒーミルに触る体験を楽しんでいました。スッキリしたとても美味しいコーヒーでした!
◆似顔絵屋さん・Boojil
一人でも親子や夫婦でも頼める似顔絵は、黒板に名前を書いて予約するという保育園のようなスタイルをとっていました。色とりどりで柔らかなイラストが魅力的!
◆「保育と芸術展」
しぜんの国保育園・成瀬くりの家保育園の保育士兼アーティストによるグループ展。絵や陶芸、植物などさまざまな展示がありました。写真はライブペインティングで、子どもたちの「好きなもの」「きらいなもの」をミックスさせるという個性的なテーマでした!
◆primotoys(プリモトイズ)
こちらのブースでは、イギリスのプログラミング玩具「キュベット」のワークショップが開催されていました。触って動かせるプログラミング言語という、まったく新しい知育玩具には子どもも大人も興味津々!
他にも紹介しきれない程たくさんの出店があり、会場内は終始活気あふれるムードに満ちあふれていました!
子どもを尊重した上で、大人を楽しませる仕掛けに溢れたイベント
今回は実際に『サウンド園庭2017』を訪れ、その様子をレポートしていきましたが、いかがでしたか?
全体を見て、筆者が気づいた点が「子どものリズムに合わせて作り込まれたイベント」であるということ。
ライブの真ん中にトークを挟んだり、普段の保育室を活用して広くブースを展開していたりと、子どもの興味をうまく引き出せるようなイベントづくりが徹底されていました。
そのため、大人も子どもの世話に追われ続けることなくイベントを楽しめるようになっていたのではないでしょうか?今回興味を持たれた方は、ぜひ次回参加してみてくださいね!