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スペインでは保育=教育!?スペインの保育園事情について

スペイン保育
皆さんは、スペインと聞くとどういったイメージがありますか?情熱的な人やシエスタ(昼寝)の文化など、日本とはライフスタイルが全く異なるような印象を抱いている方も多いと思います。今回は、そんなスペインの保育園事情についてご紹介します。

保育事情を知る上で欠かせないスペインの子育て世代の就業状況

就業率とワークライフバランス

スペインでは失業率が高い水準にあると言われ、その経済状況はヨーロッパの中でも非常に不安定な状況にあります。OECD(経済協力開発機構)によると、スペイン人のうちしっかりとした所得を得ることができている方は男性では66%、女性では55%であり、人口の5~6割程度しかいないと言われています。

一方で、加盟している36カ国のうちスペインはワークライフバランス分野では世界第2位と上位に入っています。ワークライフバランスとは「仕事と生活の調和」の意味ですが、スペインで働くフルタイマーの66%は、この生活部分にあたるレジャー活動や、食事、睡眠に対して1日15.9時間費やしているという結果が出ています。失業率が高い状態でもこのような結果が出ている理由は、「幸せはお金で買うものではない」という意識を持つ人達が多いことにあります。

子供の人数は平均1.3人と低迷

また、1人の女性に対して子供の数は平均1.3人という非常に少ない数字ですが、原因としては女性も男性も子供を持つ前にまずは自己の就業状況を確立したいからであると考えられています。それに伴い近年スペインでは第一子を産む女性の平均年齢があがり、30歳前後になっているといわれています。

http://www.oecdbetterlifeindex.org/topics/work-life-balance/

スペイン保育

スペインの保育園

 働くスペイン人女性は産後4ヶ月で仕事に復帰

スペインの女性は産前・産後休暇を出産前と出産後で合計16週間取得することができます。

また、有給休暇(3週間〜1ヶ月)を産後に足してできるだけ産休を延ばす女性も多いのです。さらに、父親も15日間(双子の場合は18日間)の育児休暇が認められているとのことです。しかしながら、子育てに時間を費やしたいという気持ちが強い一方で、失業率の高いスペインにおいて産前・産後休暇中に仕事のポジションを失ってしまうことを不安に感じている女性も多いという現状があります。

http://dual.nikkei.co.jp/article/071/55/

待機児童問題がない!?スペインの「グアルデリア」の存在

スペインでは保育園・幼稚園という区分は特に無く、0〜3歳までを預ける場所として保育園と幼稚園が一緒になったような「グアルデリア」という施設があります。

地域によって異なる可能数はありますが、バルセロナ市では乳幼児に対する保育の関わり方を「教育」として捉えており、保護者の就労の有無に関係なく0歳から乳幼児教育施設に入園できるとのことです。日本における保育園の捉え方とは大きく異なることがわかりますよね。

施設環境について

市のグアルデリアの運営方針としては教育保育の施設環境に力を入れており、十分な広さや家庭的な雰囲気、風通しや採光、適した家具の設置、行き来が自由にできることに配慮されています。もっと施設を増やして欲しいという住民からの要望もあるようですが、整った施設はお金がかかるので最先端の施設が増えるにはまだまだ時間がかかると考えられています。

 

 

開園時間について

バルセロナ市の開園時間は原則として月曜から金曜の8時から17時となっています。延長保育や休日の開園などはないそうですが、17時から18時の1時間は保護者が施設内で遊ぶことが許されているそうです。

一方で、スペインのバレンシア在住の日本人女性はブログの中で保育時間は朝9時から正午と午後3時から5時までで早朝や延長保育もあると言っています。それだけ地域によってグアルデリアのあり方には差があることが伺えますよね。日中に3時間ほど空白の時間がある理由としては、子どもが家で食事をとっているというものが挙げられます。もともとスペインには昼食を最も大切な食事と考える文化があるため自宅に戻って家族と一緒に食事をとる子どもが多いのです。母親や父親が仕事をしている場合は祖父母が迎えに来て、そのまま祖父母と一緒に昼食をとる場合もあるようです。もちろん、近くに親族がいない園児に関しては園で昼食を食べることができますが、保育料と別途に1ヶ月だいたい100ユーロ(日本円で約12500円)以上はかかるなど決して安くはないようです。

https://www.city.matsuyama.ehime.jp/shigikai/info/kaigaishisatsu.files/28_3-5.pdf

https://chiik.jp/articles/zn73K

まとめ

共働きをされているご家庭からすると待機児童問題がなく保育を教育と捉えているスペインでは子供を預けやすく、非常に羨ましい環境と感じるのではないでしょうか?ただ、スペインのグアルデリアはほぼすべて私立のため保育料は高いようです。また、共働きの方の勤務時間とグアルデリアの送り迎えの時間には大きく差があり、祖父母やベビーシッターなど第三者の手助けがないと働き続けることが難しいという問題点もあるようです。それでもワークライフバランスを上手く保ち、生活の時間を大切にしているスペインから参考にできることは沢山あるかもしれません。

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