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チャイルドケアを学び保育の幅を広げる ~子供や保護者の心身をケア~

保育の仕事をしている人で、もっと自分のできることの幅を広げてみたい、勉強をしてスキルアップしたい、と考える人はたくさんいます。今回は「チャイルドケア」の資格や知識について解説します。



 

保育の仕事をしている人で、もっと自分のできることの幅を広げてみたい、勉強をしてスキルアップしたい、と考える人はたくさんいます。今回は「チャイルドケア」の資格や知識について解説します。
チャイルドケア

 

■自然療法で保育を考え実践する「チャイルドケア」

チャイルドケアはハーブやアロマセラピーといった自然療法を取り入れた方法です。保育施設などでの仕事とは、得る知識や実践のアプローチが少し違います。保育士や幼稚園教諭、そのほか保育関連の仕事に就いていると、子どもが日々、何かを学んだり理解したりという成長の著しさに驚かされるのではないでしょうか。保育の仕事は、体力的にきついこともあったり、仕事量が多く忙しかったりしてストレスのたまることもあります。でも、子どもの成長を見守り支えるということの重要さを実感し、子どもの生命力を目の当たりにし、子どもの輝く笑顔が見られると、仕事への充実感も得られると思います。そんな保育の現場で学ぶことに加え、チャイルドケアのような方法を学んでおくことのメリットや、どのように保育に生かしていけるのかということをお伝えします。

■アロマセラピーを子どもへ、さらに広範囲に広げ応用

チャイルドケアの資格は日本アロマコーディネーター協会(JAA)チャイルドケア本部が認定する民間資格です。「チャイルドケア・コーディネーター」と「チャイルドケア・インストラクター」があります。アロマセラピー(=芳香療法)の普及を行う教会が行っていることもあり、心身を健やかに保つために自然素材や人の持つ自然治癒力を生かしていくということが学べます。アロマセラピーでは花や木などから香りの成分を抽出し、それを「精油(エッセンシャルオイル)」という形で用いて気持ちをリラックスさせたり爽快にさせたりという効果を狙います。また、抗菌作用や抗ウィルス作用があるとされるものもあるということです。欧米ではアロマセラピーが古くから民間療法として使われてきた歴史があり、医療現場でも用いられています。専門家や医師の監督・指導のもと、正しく使うことで心身のケアに効果が得られるとされるアロマセラピーを、子どもに対してさまざまな形で施すケア、そして子どもだけではなく「命」のケアとして応用したのがチャイルドケアです。

■マッサージ、自然治癒力などもチャイルドケアで学ぶ

アロマセラピーだけがチャイルドケアの自然療法の考えではありません。ベビーマッサージなど身体への施術について、ハーブなど飲食することで効果を得ようとする自然素材についても学びます。また、子どもの周囲の環境のことを考え、親に対するケア、さらには地域や社会へのケアという考えで成り立っているのがチャイルドケアです。自然の素材を用いることだけではなく、環境を重視し、子どもに対して、また、子どもを取り巻くさまざまなものに対してケアする視線で接し、寄り添っていくことがチャイルドケアの実践といえるのかもしれません。

 

保育士 チャイルドケア

 

■資格取得「チャイルドケア・コーディネーター」「チャイルドケア・インストラクター」

チャイルドケアの資格の仕組みを解説します。「チャイルドケア・コーディネーター」の上位資格として「チャイルドケア・インストラクター」があります。協会の指定する会員となり、在宅の講座または加盟校に通学しての講座を受け、筆記試験と小論文の認定試験に合格すると「コーディネーター」資格を得ます。受講と受験に在宅と通学という選択肢があるので、仕事をしながら学ぶことも可能です。在宅の講座は「ホームワーク講座」といい、自宅で学んでから月に2回実施されている在宅試験を受験する流れとなります。加盟校への通学、というのは、登録された加盟校での口座を受講し、試験も同様に加盟校指定会場で年3回実施されているものを受けます。ここでいう加盟校とは「コーディネーター」資格を取得後、さらに協会指定講習会を受講し在宅試験に合格して「インストラクター」資格を得た指導者が開いています。

■チャイルドケア・インストラクターの資格の活用

「インストラクター」資格を取得するとチャイルドケアの指導者として活動できます。具体的にはチャイルドケア実践のために、その知識と方法を人に伝えていく講師などの活動です。協会の加盟校登録手続き、指導者講習の受講を経て認定加盟校となれば、認定講座を開講し、指導した人に「コーディネーター」試験を受験させることができます。指導者として後進の指導にあたる、ということですね。

■保育の仕事 + チャイルドケアでできること

保育の仕事に加え、チャイルドケアを学び、指導的な立場として活動することができれば、プラスアルファの知識と技術を活用してステップアップできます。保育士として自然療法の知識等を生かすだけではなく、転職・独立によって「子どもへのケアの専門家」の仕事ができます。例えば「子育て講座・セミナー」のような形で講師を務めたり、ベビーマッサージ指導を専門としたりすることも可能です。また、自然療法やマッサージを取り入れた医療機関に勤務するという道もあります。子どもを対象としたイベントの企画運営に役立てることもできます。こうして保育士資格や保育の知識・経験とともにチャイルドケアという強みを付加していきます。

■子どもを通じて母(保護者)も「ケア」する

資格を認定する日本アロマコーディネーター協会チャイルドケア本部によれば、チャイルドケアには自然療法を子どもの健康、子育てに生かすことだけではなく「育児と同じように育母していきましょう」という考え方もあります。子どもを育てるお母さんも育ち、ケアされる立場であるということです。これはお母さんだけではなく保護者全般や保育者にも通じるのかもしれない、と筆者は感じました。子どもが成長するということは、素晴らしい力の発揮でもあります。それを見守る保護者にはたいへんなことや負担もありますが、得る知識や経験もまた、大きな力です。その力の相乗効果で育てる側にも影響があり、成長があります。保育者も同様なのではないかと思います。保育、子育てによって周囲も成長していくということですね。保育に関わる人達は子どもの周辺環境の一部でもあります。互いに良い状態であることが望ましく、そのためにケアされること、ともに育っていくことが大事なのではないでしょうか。

■チャイルドケアはすべての「命のケア」で、地域や社会にも役立つ

協会のサイトで紹介されている講師・松本美佳さんのメッセージでは、親が子に行うだけではなく子が親に行う、さらには地球をすべての命の母と考えるのもチャイルドケアであり、子どもから家族、地域、社会とつながっていく、とされています。チャイルドケアを伝えることで地域や社会への貢献につながると述べているのです。地域や社会もまた、子どもにとっての周辺環境です。社会の中、地域の中、家庭の中に保護者がいて、子どもがいます。そのすべてが影響し合う、育て合う、そしてケアされると考えると、子どもを育てケアすることが社会貢献になっているという大きな流れのようなものが見えてくるのではないでしょうか。このように、自然療法を用いるというだけではなく、命に対する心の持ちようや、命に寄り添うという考えが見えてくるのがチャイルドケア、と筆者の目には映ります。保育の幅を広げたいという人は、少し違った目線を得る意味でチャイルドケアを学んでみるのもいいかもしれませんね。

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