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「ギャングエイジ」とは? ~自立のスタート~

ギャングエイジ
必ずやってくる超反抗期「ギャングエイジ(gang age)」。親にとっては子育ての山場のひとつといえますが、子供にとっては発達段階における重要な時期。いわば「自立のスタ―ト地点」ともいえます。この時期を上手く乗り切るために、親はギャングエイジをよく理解しておきたいものです。

子供は小学3~4年生になると、急に親や先生の言うことを聞かなくなります。これを児童心理学で「ギャングエイジ」(gang  age)といい、児童の発達として現れる重要な現象のことをさします。

「ギャング」と聞くとマフィアやストリートギャングといった犯罪者集団を空想し、「ギャングエイジ」と聞くと、悪い行動の総称のようなマイナスイメージを持ってしまいがちです。が、それは間違いです。「ギャング」とはチームやユニット、仲間を意味する言葉です。

そして「エイジ」は時代、年代、年齢を意味します。「ギャングエイジ」を直訳すると、「仲間時代」となるわけです。小学校中学年から高学年にかけての時期、子供の自立は一気に進みます。「ギャングエイジ」は子供にとって、自立に向けた重要な時期となります。しかし、親にとっては子供の態度や言動の変化に驚き、どう対処すべきか頭を抱えるようになる時期なのです。

「ギャングエイジ」期の子供の様子

 ①大人に干渉されない子供だけの世界を持ち、小集団で行動しはじめる。

②悪い言葉を使うようになる。禁止されていること、例えば立ち入り禁止の場所に入るなど、悪さをするようになる。

③親に秘密を持ったり、ウソをつくようになる。

④女の子の特徴は友達に意地悪する、仲間はずれをすることが多い。

⑤最近、女の子のギャングエイジは早まっているようです。小学校2年生後半から始まる子もいます。友達同士でする交換ノートや手紙に「死ね」「うざい」「消えろ」などの言葉を書いたりする。

⑥性への興味も少しずつ芽生える。

以上のような行動や言動が現れ、親御さんは戸惑い、ショックを受けるケースがほとんどです。自我が強くなる時期でもあるため、親子関係が衝突したり、こじれやすくなります。

この時期、反抗ばかりするわが子にイライラを募らせる親御さんも多いことでしょう。

 「ギャングエイジ」の時期を上手く乗り越えるための、わが子との接し方」

 

ギャングエイジ

 

 「ギャングエイジ」の頃は自我が強くなり、人の意見をそのまま受け止めたくない、自分の意見を言いたいという時期になります。生意気な発言が多くなりますが、それは“成長の証”なのです。

だから、親御さんはそれを受け止める姿勢を持たなくてはなりません。子供の態度が生意気だと思っても、子供の主体性を大切にしてあげることが重要です。

ただ親子間、また人付き合いにおいて、あまりにも敬意に欠く発言や態度が見受けられる場合は、強く叱っても良いでしょう。

ただし、叱り方に気配りを。上から押し付けるような叱り方はタブーです。子供の考えや思いを受け止めてから、親としての意見を言う。頭ごなしに叱ると逆効果。言うことを全く聞かず、イライラさせられることにもなりかねないので要注意です。

この頃になると、親にウソをついたり、秘密を持つようにもなります。

そんな場合、ウソに気づいたとしても、「さすがにこれは」と思うほどのことでなければ、見て見ぬフリをして、見守ることも必要です。それをとがめたり、叱ったりすると、親に何も話さなくなることもあります。慎重な態度で接してあげましょう。

要は、親子のコミュニケーションが上手く取れているかどうかです。まだまだ子供の部分がある割には、背伸びをして大人扱いして欲しいという難しい年頃。いざというときに助けてあげたり、フォローできるよう、常日頃から良い親子関係を築いていくように心がけましょう。

子育てに不安を感じていませんか?

 「子育てから逃げ出したい…」と思ったことはありませんか?そんな風に思っている自分を「母親失格」だと責めたりしていませんか?大丈夫、心配しないでください。誰しも、一度や二度、いえ度々そんな思いに襲われているものです。

 特に初めての育児の場合、母親も0歳からのスタートです。そして常に子供と同じ年齢の母親なのです。「育児は育自」といいます。子供が成長することで、母親も共に成長し、試練を乗り越えていくのです。そして、乗り越えた先にはまた次の試練が待ち受けていることも。

しかし、子供の成長を考えながら一生懸命前進しているときは、苦痛など一切感じません。これが、子供と共に成長している証なのです。

さて、「ギャングエイジ」に話を戻しましょう。

小学校中学年の頃になると、学校生活にも慣れ、“家族”よりも“仲間”との生活が中心になってきます。やがて“大人の権威”は絶対でなくなり、“仲間の影響”で成長していくようになるのです。

 

またこの世代から、同性、同年で固定のグループを作ります。そして、そのグループでいつも一緒に何かをする(=同調行為)ようになります。そして同調行為を通じて、自分はグループに所属しているという帰属意識を持つようになります。その結果、グループの中で集団生活のルールや役割、責任を学んでいくのです。

いつか大人になり、もっともっと大きな社会に出た時、そこで必要となる社会性がまさにこれなのです。「ギャングエイジ」を分析して考えると、子供の成長過程において、とても大切な成長な時期であり、なくてはならない大切な時期だということがわかります。

やがて中学生になれば、関心の対象は内面の世界へと移行し始め、「ギャングエイジ」の特性は徐々に弱まり終息します。集団での反抗、自立の経験を経て、個人の反抗、個人の自立をし始めることになります。

このように、やがて終わりを迎える反抗期ですが、「ギャングエイジ」期に対人関係の上手な間の取り方を学ぶとも言われており、なくてはならない反抗期ともいえるのです。親御さんはこの難しい時期を温かく見守ることで、子供の成長を支えてあげてください。

「ギャングエイジ」になれない子供が増えている?!

 急速に核家族化が進んでいる現代、子供たちは学校や塾、習い事などで超過密なスケジュールをこなすようになってきました。

ひと昔前は、子供は日暮れまで外でかけまわって遊んでいたものです。それが最近はそんな子供の姿はパッタリ見られなくなりました。こうしたことが原因で、子供が「ギャングエイジ」になれなくなってきていると、懸念されています。

「ギャングエイジ」になれずに大人になった人たちが世間を騒がせる問題を起こしているともいわれ、深刻な問題です。

発達心理学での「ギャングエイジ」は青年期以降の社会生活の基礎となります。「ギャングエイジ」になれない子供が増加傾向にある現代において、大人が「ギャングエイジ」になれる環境を作る必要があるのかもしれません。そのために親が注意することを以下にまとめてみました。

①塾やお稽古事を控えめにし、友達と自由に遊べる時間を確保してやる。

②子供ができることには手を貸さない。過保護では自主性や意欲が育たず、仲間に入れない子供になってしまう。

③よほどの問題がない限り、子供の友達を否定したり、遊び方に干渉したり、子供同士のトラブルに口出しをしない。

子供は遊びを通じて成長していきます。

勉強はいつでもできますが、「ギャングエイジ」という時期は小学3年~4年のこの時期しかありません。大げさに聞こえるかも知れませんが、「ギャングエイジ」という時期はこの時期を逃すと二度と訪れないのです。

だからこそ周りの大人が注意して、これを作れる環境を整えてやらねばならないのです。

「ギャングエイジ」の時期を上手く過ごすことができれば、子供は社会や他人に関心を持ち、自発的に関わりを持とうとするようになります。それが、その先大人になったときの人間関係や社会生活の基礎となり、自然に社会に溶け込むことができるのです。

親御さんにとっても悩める時期であるとは思いますが、子供をそっと見守り、つかず離れずの距離で見守っていくのが良いでしょう。

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