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英語の早期教育、メリットやデメリットは?
目次
幼児向けの英会話教材の販売や、幼児・子ども向けの英会話教室など、幼児向けの英語教育が広がりを見せています。
さらに2020年には小学3年生から必修科目となるとあって、0歳から英語教育を始めようと考える保護者の方も増えていますが、英語を早期から学ぶことにはどんなメリットがあるのでしょうか?
「習わせたい」のはズバリ英語。人気の習い事にランクイン
小さい頃から習うことで、脳の発達を促すことができるとも言われる幼児教育。
2017年9月に株式会社リクルートマーケティングパートナーズが企画・運営する『ケイコとマナブ.net 』で行われた「子どもの習い事」についてのアンケートによると、「今習っている習い事」は次のような結果になりました。
- 水泳
- 英語
- ピアノ
- 書道
- 幼児教室
また、「今後習わせたい習い事」には
- 英語
- 水泳
- 書道
- 幼児教室・学習塾
- そろばん
がランクイン。
「今習っている習い事」「これから習わせたい習い事」ともに、水泳と英語が1位・2位を占める結果となりました。
英語を習わせたい理由には「英語は小学校でも必修科目となるため、小さい頃から英語に触れさせたい」という声が多かったようです。
(引用:『ケイマナニュース』発表!2017年子どもの習い事ランキング 1位は…??)
早期から英語教育を行うメリットは?
まだ言葉を話せない赤ちゃんから英語教育を行うことで、バイリンガルを育てることができるとテレビや雑誌でも注目されていますが、早期から英語教育を行うことによるメリットについて、3つご紹介します。
発音を聞き取る『耳』を育てることができる!
英語の早期教育を始めることによるメリットのひとつに、“英語の発音を聞き取る耳を育てることができる”ということがあげられます。
英語には、“R”と“L”、“TH”、“子音で終わる単語”など、日本語の発音とは異なる発音の音が存在します。
成長してからこれらの音を聞きとろうと思っても非常に難しいため、“音を聞き取れない”“しっかり発音できない”ということが、日本人が英語を苦手とする原因としてあげられています。
産まれてから9歳~10歳までの脳の発達が盛んな時期を臨界期といいます。この臨界期までに英語に触れることによって、英語の音をしっかり聞き取り、発音する能力を育てることができるため、幼少期から英語教育を行うことが大切とされているんです。
英語教育の受け入れがスムーズに!
臨界期まで英語に触れずに過ごしていると、脳内の言語野のほとんどが日本語の領域となります。その結果、英語を学んだ際に使うことができる脳の領域が狭くなるため、英語を学ぶのが大変に感じるといわれています。
また、“勉強”として英語を学ぶことによって、英語に苦手意識を持ちやすくなりますが、勉強と感じる前に英語に触れることで、英語に対する苦手意識を持ちにくいというメリットもあるようです。
視野や世界が広がる
普段の生活の中で外国の方と触れる機会が少ない日本。いざ外国人と会話する機会が訪れると、まったく話すことができずに困ってしまうという方も多いのではないでしょうか。
「自分の子どもには外国人と英語で会話するのに困らないスキルを身につけてほしい…!」と考えている方は、ぜひ英語教育を積極的に取り入れましょう。早期から英語に触れることによって、英語でコミュニケーションを図るスキルを身に付けることが期待できます。
英語で会話ができると、旅行先に海外を選ぶことができるなど、自分の世界を広げることが可能となります。
また、英語でコミュニケーションを図れるようになることで、さまざまな文化・さまざまな考えの人と触れるきっかけにも。その結果、広い視野を持つことも可能となります。
早期英語教育のデメリットは?
聴き取る力を養えるなど、メリットが多い早期英語教育。一方で、デメリットももちろん存在します。
英語の早期教育によるデメリットにはどのようなものがあげられるでしょうか。
成長と共に忘れてしまう
早期から英語教育を取り入れる場合、バイリンガルになることを期待している保護者の方もも多いかもしれません。ですが、アメリカで行われた研究によると、生後10ヵ月から12ヵ月を境として、母語以外の音を聞き取る能力が低下していくという結果が得られています。
つまり、使用頻度の高い言語以外、シャットアウトしてしまうということ。
そのため、バイリンガルになるためには、日本語と英語が同じくらいの頻度で使われる環境で過ごすことが大切となります。
家庭で日本語を話すことを前提とした場合、プリスクールから高校まで、インターナショナルスクールに通わせる必要があるということとなりますが、インターナショナルスクールは学費も高いため、経済的な余裕も必要となります。つまり、経済的な余裕がない場合は、早期から幼児教育を行っても、期待どおりに身につかない可能性も考えられます。
日本語も英語もダブルリミテッドになる
日本語もマスターできていない幼児期。第二言語は母国語以上に発達することはないといわれているため、日本語の習得も未熟な状態で英語を学んでも、思うような結果を得ることはできません。また、言語を身に付けるためには時間や労力も必要とされます。母国語である日本語の正しい使い方や表現力が身につかないまま第二言語として英語を身に付けようとすることで、大きなストレスを感じ、日本語も英語も一定レベル以下のダブルリミテッドの状態を招いてしまうことも起こり得ます。
自主的な学習ではない
“何かを身につけたい”と思ったとき、重要なのは“自主的に学ぶこと”。
その点、早期教育は子どもの意思ではなく保護者の方の意思によって始まることがほとんどです。楽しみながら取り組めればいいのですが、本人が苦手意識を持っていたり、学ぶ意思を持てなかった場合、英語を身につけるどころか嫌いになってしまうということにもつながりかねません。
英語教育も高い費用がかかるものなので、“お月謝が高いのに!”と結果を求めすぎることなく、本人の自主性を引き出すような工夫が必要となります。
楽しみながら英語を学ぶチャンス
10歳頃までは脳の発達もピークに達する時期ですので、効果的に何かを学ぶにはぴったりの時期。
日本語の基礎が身についていない状態で英語を学びはじめることで、日本語も英語も中途半端な状態となってしまう危険性があるなどデメリットもありますが、早期から英語に触れることによって、英語の音を聞き取る能力を育て、異文化に触れ、視野を広げることができるなど、メリットもたくさんあります。
大切なのは、子どもが興味をもって取り組める環境をつくること。特に幼児期の早期の英語教育では、英語の歌や音・そしてリズムを楽しむという環境を作ってあげるのがおすすめです。