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負の期待が子どもの可能性を潰す!?“ゴーレム効果”

ゴーレム効果
誰からも期待されず、ダメ出しを続けられることで人は自信をなくしてしまいます。「期待されない」がゆえに起きる負の現象であるゴーレム効果をご存知ですか?

ゴーレム効果って何?

ゴーレム効果は、他者から期待されなかったり悪い印象を持って接されることで成績や作業効率が低下してしまう現象のことです。この学説も、ピグマリオン効果と同じようにローゼンタールによって提唱されました。

子どもの潜在能力を引き出す「ピグマリオン効果」ってどんなもの?

ピグマリオン効果については以前の記事を参照して頂きたいのですが、ゴーレム効果はピグマリオン効果と逆のものになります。

例えば教師が子ども全く期待をせずに接してしまえば、子どもは「自分はどうせだめだ」「何もできない」という意識を持ってしまい、結果として良い成果を出せなくなってしまうというものです。

人と関わるとき、その人に対して自分が何かしらマイナスの先入観をもって接するとします。例えば「この人はあまり頭が良くなさそうだ」などという、悪い印象です。

そのような気持ちをもってその人と接するとき、自然にその人に期待する気持ちは少なく、態度にもその気持ちが表れてしまいます。そうすると、自分は期待されていないと感じたその人は、やはりその低い期待度通りにしか動けない・出来ない、ということになってしまいます。

ゴーレム効果の語源

ゴーレム効果の「ゴーレム」とは、ユダヤ教の伝承に登場する泥人形のことを指していると言われています。

「ゴーレム」はヘブライ語で「胎児」の意味であり、作った主人の命令だけを忠実に実行する召し使いかロボットのような存在として描かれています。ゴーレムは額に真理(emeth)という文字が刻まれており、“e”の一文字を消すと死(meth)になってしまい、土に戻ってしまいます。

能力がある人が相手からネガティブな言葉や態度によって自信を失ったら、その力を発揮できなくなってしまうことがこのゴーレムの伝承に似ていることから「ゴーレム効果」という名前が付けられました。

悪い部分を指摘することは重要

ゴーレム効果について簡単に説明しましたが、相手の悪い部分を指摘すること自体が一概に悪いというわけではありません。悪い部分を指摘し、相手が改善をした結果、伸びるということはありますよね。しかし、そのためには相手が「納得する」ということがとても重要です。

悪い部分を指摘することで伸びる場合は、相手が指摘を理解し、受け取った後に自身を探り、改善するという順序を踏んでいます。

しかし、ゴーレム効果は納得させるどころか一方的に相手を否定し、ぞんざいな態度をとることでやる気を出すための大事な要素をないがしろにしています。

ゴーレム効果を起こさないためには相手のことを考え、もし自分がこのような態度を取られたらどう思うかと一度相手の気持ちになってみることが大事なのかもしれません。

ゴーレム効果

どのような場面で気を付けるべき?

ゴーレム効果は起きないようにしたほうが良い効果ではありますが、子育てをしていく上で何気ない言葉で相手をマイナスの方向に動かしてしまうことがあります。では、どのようなシチュエーションでゴーレム効果が起きやすいのか見ていきましょう。

兄弟や周りの人間と比較されてしまう

いつも勉強やスポーツで良い成績を取っている子どもも人間ですから、もちろん失敗してしまうことはあるでしょう。そんな時に、どう接するかということが重要なのです。

例えば、テストで悪い点数をとってしまった時に「お兄ちゃんはあんなにできているのに」「他の家の子はもっと勉強している」などと声かけをされると、子どもは「自分は期待されていない」と感じてやる気をなくしてしまい、ますます成績が悪くなるといった悪循環に陥ってしまう可能性があります。

もし悪い結果が出てしまった時も、他の人と比較して責めるのではなく、一人一人にそれぞれ良い部分ことがあることを認めてあげることが大事です。

「あれはダメ、これもダメ」がゴーレム効果を生み出す

子どもがまだ小さいうちは、自然と子どもと過ごす時間は多くなります。それまでに当たり前にすることの出来ていた家事や仕事に加えて育児もしなければいけなくなってしまい、余裕がなくなってしまうということもしばしば。

頭では子どもはしっかりと褒めて育てた方が良いということは分かっていながらも、忙しさからつい子どもの行動に対して「~してはいけない」「なんでそんなことするの」といったようなネガティブな言葉をかけてしまいがちです。

ネガティブが常に悪いことであるとは言いませんが、誰からも期待されずに自分だけで頑張ることのできる強い子どもは滅多にいません。子どもは初めてやることに失敗してしまうことは仕方のないことですから、最初から「あれはダメ、これもダメ」と言って気を張りすぎずに、のんびりと子どものやることを見守ってあげることも必要です。

まとめ

ゴーレム効果は、ピグマリオン効果とセットで説明されることが多いです。どちらも子どもが成長していく過程において大きな影響を及ぼすものですが、ゴーレム効果は負の期待によって起こる悪い効果です。

誰しも自分に余裕が無かったり、思い通りにならなかったりした場合にネガティブな言動で相手を評価してしまいがちですが、教育の現場や子育てにおいて負の期待をかけてしまうと伸びる可能性のあるものも潰してしまうことになりかねません。

そのため、人を育てる時にはゴーレム効果ではなくピグマリオン効果を意識して育てていきたいですね。

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