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保育園のクリスマスは大忙し!子供たちが楽しめるクリスマス行事のために|保育士求人募集なら保育ぷらす
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保育園のクリスマスは大忙し!子供たちが楽しめるクリスマス行事のために
今回のポイント
クリスマス会は、子どもたちがよく理解していないクリスマスの意味を伝える絶好の機会です。上手に伝える工夫をしていきましょう。
クリスマス会当日だけでなく、飾りつけや出し物などの準備も子どもたちと楽しく行いましょう。
クリスマスやサンタクロースの由来、クリスマスツリーのオーナメントが意味しているものなどを覚えておきましょう。
目次
保育園行事としてクリスマス会をおこなうねらい
保育園でクリスマス会を行うことには、子どもたちがクリスマスという習慣について興味を持ってもらうという狙いがあります。
クリスマスは、子どもたちにとって楽しみ!
子どもたちにとってクリスマスは、「パーティーをする日」、「サンタクロースからプレゼントをもらえる日」として認識されています。
クリスマスが近づいてくるとクリスマスツリーが飾られ、街もキラキラとライトアップされ、いつもとは違う雰囲気になりはじめます。
うれしいことがたくさんやってくるクリスマスは、子どもたちが楽しみにしている行事のひとつです。
クリスマスの意味を子どもたちに伝える
クリスマスが近づくと、ご家庭でもクリスマスツリーを飾ったり、クリスマス当日にはケーキやごちそうが並んだり、楽しくパーティーを行ったりするでしょう。
子どもたちはクリスマスプレゼントも受け取って、とても楽しく過ごせる嬉しい1日になります。
ですが、クリスマスにどうしてこのようなパーティーを催したり、プレゼントがもらえたりするのか、ということまで教えている家庭は少ないのではないでしょうか。
保育園では、クリスマスという習慣の意味をまだ知らない子どもたちにその意味を伝えるために、大切な行事のひとつとしてクリスマスを祝うイベントを行います。
なぜクリスマスにはパーティーを開くのか、クリスマスにはどのような飾りを作ってどういう過ごし方をするのかなど、クリスマスの由来やその背景について、保育園の行事を通して学んでもらうようにします。
クリスマスの意味を知ることで、またひとつ子どもたちが成長することでしょう。
クリスマスに保育士がおこなう仕事は?
乳児クラスを受け持っている場合
乳児や1歳児の子どもはまだクリスマスやサンタクロースの意味をきちんと認識できていません。
子どもたちは、保育園でクリスマスの行事に興味を持って体験していくことで、クリスマスやサンタクロースの意味を知り、理解を深めていきます。
小さな子どもは、髭が怖かったり、身体が大きかったりすることでサンタクロースを怖がることがあります。
無理にサンタクロースに近づけさせたり、サンタクロース慣れさせたりしようとせず、そんな時は優しく保育士があやしてあげましょう。
まだ歩けない乳児でも、担当の保育士とともにプレゼントを受け取ったりできるようにフォローすることも大切です。
また、保護者の方々は、クリスマス会を保育園の大きな行事の一つとして楽しみにしています。
保護者が毎年の子供の成長を確認できるように、子どもたちがクリスマスを楽しんでいる様子や、子どもたちが制作した様々な品物を写真に残すことも重要です。
事前準備も子どもたちにとって特別
保育園にとってクリスマスは12月24日と25日だけで終わるものではありません。
クリスマスに向けての準備として、12月早々には子どもたちと園内の飾りつけを行い、クリスマス会で発表する歌やダンスなどの練習を始めます。
子どもたちは、飾りつけや練習も楽しんで行います。練習をしながらだんだんとクリスマスが近づいてきていることを実感できることも、楽しみのひとつと言えるでしょう。
保育園で歌うクリスマスソングは、ジングルベルや赤鼻のトナカイなどが定番ですが、最近ではディズニー映画の歌などが大人気となっています。
子どもたちだけでなく、保育士が行う出し物や劇
クリスマスには子どもたちの出し物だけでなく、保育士の出し物もあります。
子どもたちの可愛いらしい出し物とはまた異なり、保育士たちによる遊び心を交えた本格的な劇は、子どもたちに大人気です。
また、ダンスや歌も子どもたちが喜ぶ出し物といえます。クリスマスに関係したストーリーのペープサートや人形シアターなども、子どもたちに大人気です。
このような大人が演じる劇や人形劇を通じて、子どもたちにクリスマスの意味をさりげなく伝えていきましょう。
サンタクロースの仮装
子どもたちがクリスマスで一番楽しみにしていることは、サンタクロースからプレゼントがもらえることです。
クリスマス会の最中にサンタクロースを登場させる場合には、男性保育士がサンタクロースの仮装をして登場し、サンタクロースのふりをしたままクリスマス会に参加して子どもたちとイベントを楽しみます。
クリスマス会の途中にサンタクロースからのプレゼントを渡す時間を作り、一人ひとりにプレゼントを手渡したり写真を撮ったりすることで、良い思い出作りなります。
保育園によってはお昼寝している間にサンタクロースが来たという設定で、あとからプレゼントを渡す場合もあります。
サンタクロースを登場させるかサンタクロースが寝ている間に来たという設定にするかを早めに決定し、仮装の方法やプレゼントの渡し方の段取りを決めておくことが大切です。
保育園が小規模の場合は、子どもたち全員にプレゼントを渡せるかもしれませんが、園児数が多くてなかなか全員分用意ができない場合は、お菓子などを配る保育園も多いようです。
保育士が覚えておきたいクリスマスの由来を徹底解説!
サンタクロースの由来
サンタクロースは4世紀頃のローマ帝国に実在していたキリスト教の司祭、聖ニコラスがモデルといわれています。聖ニコラスは大勢の貧しい人や困っている人を救った聖人として伝えられています 。サンタクロースは聖ニコラスが行ったある逸話から生まれたとされています。
聖ニコラスの近所に、3人の娘がいる貧しい家族が住んでいました。しかし貧しさのために、結婚を控えた娘が娼婦として働かなければならなくなりました。
その話を聞いた聖ニコラスが気の毒に思い、その家の煙突からこっそりと金貨を投げ入れ、それによって娘が無事に結婚することができました。
さらに聖ニコラスは、下の2人の娘のときにも同じように金貨を投げ入れて家族を救ったといわれています。
煙突から投げ込まれた金貨は、偶然にも暖炉に干してあった靴下に入り、家族が靴下の中の金貨に気づいたことから、サンタクロースのプレゼントを靴下に入れてもらう、という現代の形になりました。
サンタクロースがプレゼントを贈る習慣の由来
聖ニコラスが亡くなった後には、その命日の12月6日に聖ニコラス祭が行われるようになり、 オランダなどの国々では、聖ニコラス祭で子どもたちにプレゼントを贈る習慣が広まりました。
後にこの聖ニコラスの伝説と、「生まれたばかりのキリストに三賢者が贈り物を持ってベツレへムを訪れた」というキリストの伝説とが結びつき、「クリスマスにはサンタクロースがプレゼントを子どもたちに贈る」という習慣が アメリカ全土に広がったといわれています。
クリスマスプレゼントはパンから始まった?
日本では、明治時代の終わりごろにクリスマスプレゼントの習慣が広がるようになりました。
キリスト教の団体「救世軍」が、クリスマスに貧しい人々を助けるために大勢の人にプレゼントを渡したことが始まりだといわれています。
この時、プレゼントを渡された人は約3万人といわれ、その中身は果物やパン、お菓子や玩具などでした。
この活動がきっかけでクリスマスにプレゼントを贈るという習慣が一般家庭にも広がっていったとされています。
サンタクロースの服は赤色ではなかった?
サンタクロースといえば、白い髭で赤い洋服を着た太ったおじいちゃんというイメージがあります。
ところが昔はサンタクロースの洋服などのイメージは決まっておらず、絵本などの中に描かれているサンタクロースは青い服の場合もあり、国によって違った色の衣装を着ていたのです。
今のサンタクロースのように赤い衣装になったのは、アメリカのコカ・コーラ社の広告が由来という説が有力です。
アメリカの漫画家トマス・ナストが描いた、白い髭を生やして太った体型の優しそうなサンタクロースを、コカ・コーラ社が1931年にクリスマスの広告に採用したため、その洋服の赤い色が世界的に広まって統一され、子どもたちに大人気となりました。
そのため、日本でもコカ・コーラ社の赤と白を使った衣装が、現在のサンタクロースのイメージとして全国的に定着したと言われています。
クリスマスツリーの由来
クリスマスツリーを飾る習慣は、19世紀前半にドイツからアメリカなど他の国々に広がっていきました。
実は、クリスマスツリーの由来にはさまざまな説があります。
①ルター由来説
宗教改革者のマルティン・ルターが、礼拝から帰る途中、木々の間から見えた星空の美しさを家にいる子供にも見せたいと思ったことから、もみの木を持ち帰り、その枝の隙間に星空に見立てて小さなろうそくの火を灯したことが起源といわれています。
②オーディン伝説由来説
ドイツのオーディン伝説が由来という説もあります。
北欧神話の神オーディンの親睦とされている樫の木に生贄が吊るされていたのを見たキリスト教の宣教師ボニファティウスが、その儀式をやめさせるために樫の木を切り倒すと、そこにもみの木が新しく芽生え、キリストの奇跡のもみの木として伝えた、とされている説です。
③アダムとイブ由来説
キリスト生誕祭に行われる「アダムとイブ」の劇中で、二人が食べてしまう知恵の実がなっている禁断の木にもみの木が使われていたため、という説もあります。
冬のリンゴの木は葉が落ちているため、劇では葉の落ちていないもみの木が使われました。
それによってもみの木がクリスマスツリーのもとになったといわれています。また、クリスマスツリーの飾りにリンゴがあるのは、この由来が元になっているとも言われています。
それ以外の説としては、もみの木は針葉樹で冬でも葉が落ちず、その生命力溢れる姿から永遠の命の象徴とされ、クリスマスツリーのもととなった、というものが存在しています。
オーナメント(飾り)の意味
クリスマスツリーで飾られているオーナメントにもさまざまな意味があります。
星 | クリスマスツリーのてっぺんに飾られている輝く星のオーナメントは、キリストが誕生したベツレヘムまで賢者たちを導いた星を表しています。 |
ベル | ベルのオーナメントは、キリストの誕生を知らせる天使の喜びのベルで、魔除けの効果もあるといわれています。 |
クーゲル | 球体の赤いオーナメントは正式名称をクーゲルと呼び、生きる喜びと永遠の命をもたらすとされるリンゴを表します。 クーゲルには、色ごとに異なる意味もあります。赤はキリストが流した血、白は清らかさ、緑が永遠、金と銀がキリストの高貴さを表すとされています。 |
キャンドル | キャンドルは世を照らす光を象徴、杖の形をしているキャンディは羊飼いの杖として助け合いの心や羊(人)を導く羊飼い(神)を表しているともいわれています。 |
ヒイラギ | ヒイラギの葉と実はキリストが十字架に付けられた時、頭に乗せていたいばらの冠がギザギザで、まるでヒイラギの葉のようだったこと、そしてそのヒイラギの赤い実が、キリストが流した血のようだったことから、象徴的に使われるようになりました。 |
トナカイの由来
今ではサンタのソリをひくのはトナカイと決まっていますが、19世紀の初め、サンタクロースは馬やロバに乗ってプレゼントを配っていたといわれていました。
サンタクロースが現在の形のように、トナカイが引くソリに乗るようになった由来にもさまざまな説があります。
1822年にニューヨークの神学者のクレメント・クラーク・ムーアが自分の子どものために「聖ニコラスの訪問」を書いたとき、その中でサンタクロースが8匹のトナカイが引くソリに乗っていたことから、サンタクロースにトナカイが登場するようになったといわれています。
また北欧にはトナカイと供に遊牧生活を送る民族がいるため、その民族が元になってサンタクロースがトナカイの引くソリに乗っているイメージが定着したともいわれています。
ほかにも、トナカイの大きな角がまるで翼のように見えることから、空を飛ぶサンタクロースのソリを引く動物がトナカイになったという説もあります。
サンタクロースのトナカイには名前があった!?
サンタクロースのそりを引くトナカイにはそれぞれ名前がついており、その名前自体がトナカイたちの特徴も表しているとされています。トナカイの名前は以下のとおりです。
雷 Donder (ドンダ-) | 1列目、人見知り |
稲光 Blitzen (ブリッツェン) | 1列目、堂々としている |
彗星 Comet (コメット) | 2列目、特に特徴がない |
恋愛の神 Cupid (キューピッド) | 2列目、特に特徴がない |
踊り手 Dancer (ダンサー) | 3列目、ダンサーとプランサーは双子 |
踊り跳ねる者 Prancer (プランサー) | 3列目、ダンサーとプランサーは双子 |
突進者 Dasher (ダッシャ-) | 4列目、ダッシュが凄い |
口やかましい Vixen (ヴィクセン) | 4列目、いびきがうるさい |
※特徴はサンタクロース協会参照
「赤鼻のトナカイ」の歌で有名な「ルドルフ」は、この8頭の先頭で先導役を務めています。
ルドルフは、1938年にアメリカのロバート・メイが娘に聞かせるために考えたストーリーから生まれたトナカイです。そのため、ほかのトナカイに後から加わってサンタのソリを引くようになったといわれています。
おわりに
クリスマスのお話を上手に伝えながら、伝統ある文化を楽しく覚えてもらえるように工夫していきましょう。
年に一度の大きなクリスマス行事を素敵な思い出の残る有意義な会にすることが、保育士としてのやりがいにもつながるでしょう。
参考資料
日本・フィンランドサンタクロース協会
http://www.jf-santa.org/