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保育園探しでぶつかる保護者が続出!今話題の「3歳児の壁」とは?

3歳児の壁
「3歳児の壁」という言葉がよく使われますが、その使用範囲は実は広く、理解している人も少ないのではないでしょうか。きちんと整理してみましょう。

流行語大賞では、毎年その一年を象徴する言葉が選ばれますが、待機児童問題が国会で毎日のように議題に上がる今、保護者たちの保育園探しを「保活」と呼ぶ、新語が誕生しています。そして同様に、最近は保活に励む保護者の間で「3歳児の壁」という言葉も保育の現場で頻繁に聞くようになりました。今回は保育に関わる人ならきっと今後たくさん耳にするようになる「3歳児の壁」について理解を深めていきましょう。

「3歳児の壁」とは?

 

3歳児の壁

≪「3歳児の壁」の深刻さ≫

「保育園落ちた。日本死ね。」という匿名ブログをきっかけに、「働きたいのに、働かなければならないのに、子どもを保育園に預けられない…。」という保護者の苦しみや待機児童問題の深刻さが浮き彫りになり、政府や自治体は早急に状況改善に取り組み出しましたが、今度はまた新たな問題が浮上してきました。それが「3歳児の壁」です。

≪3歳以降の預け先が見つからない!≫

待機児童の8割以上は0~2歳児。乳児に比べ手間がかからない3歳児以上になれば、認可保育園の定員が少し増え、希望園に入れるというのがこれまでの通説でした。しかし、
待機児童問題を解消するため、0~2歳児向け保育施設が増えた結果、3歳以降の預け先探しが今、保育の現場で保護者を悩ませています。

≪3歳という年齢は様々なことを理解し吸収していく重要な時期!≫

3歳児の保育では「集団保育で社会性を育む時期」だと考えられており、同年代と過ごすことが非常に重要な時期なのです。就学前の3歳以上児は、生活に必要な習慣や態度を身に付け、心身ともに成長する年齢です。周囲と安定した関係を保ちながら活動を徐々に広げていき、思い切り体を動かして遊んだり活動したりして、身体機能はもちろんのこと、達成感や充実感を高めていくことが非常に大切です。

≪「3歳児の壁」の問題点≫

2歳まではなんとか預けるところが見つかったが、3歳になる来年は預ける場所がないため、親は仕事のスタイルを変える必要に迫られることも多いようです。子供にとっても、2歳まで仲良くなったお友達や慣れた園に別れを告げて家で親や祖父母と過ごさなければならない状況になります。また、親が仕事のスタイルを変えることで収入が減少したり、子供も社会性を育む重要な時期にもかかわらず、同年代の子供たちと時間を過ごせないことはどちらにとってもストレスや不安を煽ることにもつながるため、今後の大きな課題となっていくでしょう。

「3歳児の壁」問題で保育士の働く環境はどう変わる?

≪保育士全体としての影響≫

特に小規模保育の連携施設となりうる、認定こども園、認可幼稚園、認可保育所では、連携先の保育施設との交流が発生する可能性があります。子どもに関する情報交換や、合同での行事実施など、より多くの子ども、保護者、職員と接することとなりますので、高いコミュニケーション能力が必要とされるでしょう。

≪連携施設への補助金がある自治体の場合≫

現状ごく一部ではありますが、保育所などが連携施設になる場合に、独自の補助金を支給する自治体もあります。このような施策がある場合には、連携施設では施設全体の収入が増えることが期待できます。

≪小規模認可園で働く場合≫

保育 幼児

小規模保育で認可を受けるためには、卒園後の園児の受け皿となる連携施設を設定する必要がありますが、新制度施工後5年間は経過措置期間とされ、連携施設がない状態でも認可を受けられるようになっています。しかし、連携先が見つからないまま経過措置期間が終了した場合は、その後認可が受けられなくなる可能性もあります。万が一そのような場合には、処遇改善のための補助金も受けることができなくなるため、給与が下がってしまうことも考えられるでしょう。

≪定員に余裕がある園で働く場合≫

低年齢児向けの保育施設が増えることで、今後3歳児からの入園申し込みが増える可能性が考えられます。

前向きな各自治体の取り組み

≪神奈川県横浜市≫

横浜市は待機児童対策として0~2歳児を受け入れる「横浜保育室」を整備してきましたが、3歳以降の受け皿が課題になっていたため、私立幼稚園に呼びかけ、横浜保育室の卒園児を受け入れてもらうモデル事業を始めたのです。

幸ケ谷幼稚園はこの事業に参加し、現在では、毎年15人ほどの横浜保育室出身の子どもが3歳から入園してくるようになりました。横浜市では、午前7時30分から午後6時30分までと保育園並みの時間で子どもを預かる私立幼稚園に対し補助をしており、保育園出身の子でも受け入れやすい土壌があることもうまくいっている要因のひとつです。

≪東京都練馬区≫

東京都練馬区は、2015年度から私立幼稚園向けに新たな認定制度「練馬こども園」を創設しました。保育園並みに長時間の預かり保育をする幼稚園に対し、運営費などを区が独自に支援。主に2歳児までを対象とする認証保育所や小規模保育施設と卒園児の受け入れに関する提携を促し、3歳児以降の受け皿を確保しています。

また、認定申請を予定している私立白ふじ幼稚園では、4月から現在午後5時30分までの預かり時間を延長し、午後6時30分までにしました。預けられる時間が1時間でも長くなることは保護者にとってとてもありがたく、重要なポイントとなっています。

3つの解決策

もし認可外や小規模保育・家庭的保育から認可保育園への転園に失敗して3歳で待機児童になってしまった場合、どんな選択肢が考えられるでしょうか?3つの選択肢を挙げてみました。

≪その1≫

預かり保育が充実している幼稚園を探すこと。意外な救いの手は、幼稚園から伸びてくる場合があります。このとき、預かり保育時間や実施日がママやパパの働き方に合っているかに注意します。

追加募集があれば、4月に間に合うかもしれません。区立などの公立幼稚園は2年保育が基本で預かり保育をしていない場合も多いのですが、念のため確認しておくとよいでしょう。私立の場合、3年保育が多くなっていますが、通常は秋ごろに説明会や入園募集をしているケースが多く、待機児童が多い地域では幼稚園もすでにこの時期には定員に達しているケースがほとんどのようです。

とはいえ欠員があれば受け入れられる場合もあるので、希望を捨てず、確認してみてください。

≪その2≫

現在通っている認証保育所や小規模保育などでの継続保育です。認証保育所などの認可外保育施設では、希望があれば、3歳以上児も預かることは少なくありません。また、小規模保育でも特例扱いで残ることはできるそうです。ただし、同年齢の子どもと遊べない環境は、本来、集団保育で社会性を育む時期の子どもにとっては、物足りないかもしれません。子どもの状況をよく見て、判断しましょう。

≪その3≫

保育園に入りやすい地域への引っ越しです。新設の認可保育園では、3歳以上児クラスになると空きが十分にある可能性も高いです。そうした新設園を毎年増やしている自治体を調べ、住まいを移すのも一つの有効手段だと思います。最近では、習い事系の幼児教室などで一日の預かりをしてくれるところが増えてきました。月謝は高いのですが、「習い事もしてくれるなら一石二鳥」と考えて選択肢にする人もいるかもしれません。しかし、子どもが一日過ごす場として適切ではない場合もあるので、注意が必要です。

「3歳児の壁」にぶつからないためにできる2つの対策

≪その1≫保育園だけではなく「幼稚園」も視野に入れる

多くの私立幼稚園は満3歳から入園できて、預かり保育で18時や19時頃まで子どもを預かってくれる園や、早朝から預かってくれる園も出てきています。自治体の中には、私立幼稚園に働きかけ、優先的に入園できるようにするなど受け皿づくりをするケースお出てきているそうです。

産休明けや育休明けを控えているママ、出産後は働きたいと考えているプレママは、0歳から年長まで預かってくれる認可保育園を一番に希望していることでしょう。ですが、人口の多い首都圏などでは、落ちてしまう確率も高くなります。それなら、「小規模保育で2歳まで預かってもらって、3歳からは幼稚園に通う」というのも、多少手間がかかりますが、確実に働けるようにするためのひとつの有効な手になるかと思います。

≪その2≫自宅でもできる仕事や副業も視野に入れる

フルタイムで働くとなると、長時間子どもを預かってくれる保育園への入園が必要になりますが、自宅でできる仕事だったら、一時保育やプレ保育などを活用して、働くということも可能になります。
産休中や育休中のママは、ぜひこの機会に給与所得以外の収入源の可能性についても考え、行動してみられてはどうでしょう?

今現在フルタイムで働いているママは、副業なども視野に入れてみてはいかかでしょうか。現在は副業を禁止している企業は多いようですが、社会の風潮として徐々に社員の副業(兼業)を認める会社が増えており、このような動きはますます増えていくと思われます。収入源が1つだと、仕事を辞められませんし、なにかあったときに心細いですが、2つ、3つとあると、万が一辞めることになったときなども安心です。

保育士として今後は活躍の場を広げることを視野に入れよう!

前述したように、小規模保育の場合には、園庭や調理室を確保できないケースも多くあります。そのため連携施設とは、3歳以降の受け皿としてだけでなく、さまざまな協力が必要とされています。今後はより多くの人と関わることも予想されますので、コミュニケーション能力が試されます。

自園以外との交流が発生すれば、新しい取り組みに挑戦する機会もあるかもしれませんので、保育士としての多くの経験を積む良い機会にもまりますので、保育の知識や能力を高めていきましょう!そして、ただ待っているだけではなく、新たな可能性や自分ができることを考えて行動していきましょう。

 

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