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イヤイヤ期? 第一次反抗期を迎えた子どもとの向き合い方
目次
多くの子どもたちは、成長する過程で「反抗期」と呼ばれる時期を迎えます。
反抗期には第一次反抗期と第二次反抗期があり、第一次反抗期は2歳頃から4歳頃に、第二次反抗期は13歳頃の思春期に起こるのが一般的です。
今回は、第一次反抗期にスポットを当て、いったいどんな時期なのか、どうやって向き合うべきなのか解説していきます。
第一次反抗期って?
第一次反抗期とは、乳児期から幼児期のあいだに迎える反抗期のこと。
魔の2歳児、悪魔の3歳児……という表現をする人がいるように、この時期の子どもたちは急に扱いにくくなったように感じるかもしれません。
この頃の子どもたちは、赤ちゃんから子どもへステップアップする大切な時期。
拒否やかんしゃくが起こりやすい第一次反抗期は、自我が芽生えたことによって起こる行動のひとつです。
第一次反抗期までのステップ
あやすと笑ってくれるようになり、大人の身振り手振りを真似してくれるようになり……と、月齢を重ねるごとにさまざまな成長を見せてくれる子どもたち。
第一次反抗期も、こうした発達の過程で起こる行動です。
では、どのようにはじまるものでしょうか。
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意思疎通が図れることに喜びを感じる1歳代
1歳を過ぎ、次第に言葉が発達し、意思疎通を図れるようになってきた子どもたちは、周囲とのやりとりを楽しみはじめます。
まだ歩き始めたばかりの時期、「これ、おもちゃ箱にポイしてきてね」「オムツ、持ってこられるかな? 」などと簡単なお願いをしてみると、嬉しそうに応えてくれる子もいるものです。
大人の言うことを理解し、行動する。赤ちゃんから子どもへと成長していくさまが感じられ、見守る大人も大きな喜びを感じられる時期ですね。
子どもたちも、声かけにこたえる姿を見せ、「できたね!」と喜んでもらうことで、自分に自信をつけていきます。 -
「イヤ!」がはじまる2歳代
意思疎通が図れるようになった子どもたちは、続いて拒否することを覚えはじめます。この時期の拒否は、自我の芽生えたことで起こる行動のひとつ。
お風呂に入るのがイヤ、着替えるのがイヤ、この靴はイヤ、ごはんを食べるのがイヤ……。
なんでも自分でやりたがり、うまくできずにかんしゃくを起こす。
大人の言うことを無視したり、拒否したり……。
いわゆる「イヤイヤ期」のスタートです。
成長過程特有のこととはいえ、こうした子どもの行動にすっかり参ってしまい、お手上げ状態になってしまう人は少なくありません。何歳で迎えるのかは個人差がありますが、一般的に2歳頃から4歳頃に迎える子が多いようです。
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イヤイヤに動機ができたら本格的な第一次反抗期へ
ただ「お風呂に入りたくない」「ごはんを食べたくない」と拒否をしていた時期から「今おままごとをしているから、お風呂に入りたくない」「これからお絵かきをするから、ごはんを食べたくない」などと、理由を訴えてくるようになると、本格的に第一次反抗期に突入したといえるでしょう。
子どもには子どもの都合があるもので、見守る大人としては子どもなりに考えた「したくない理由」に思わず感心してしまうことさえあるかもしれません。
とはいえ、子どもの都合のすべてを尊重することも難しいものです。
では、こうした時期の子どもたちと向き合うにはどうしたらいいのでしょうか。
第一次反抗期、見守る大人はどう対応する?
大人の言うことを拒否し、かんしゃくを起こす……。
こうした子どもたちの行動に思わず戸惑ってしまう保護者は、実は少なくありません。
第一次反抗期を迎えた子どもたちとは、どのように向き合うのが正解なのでしょうか。
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ヒートアップしない
自我が芽生え、イヤだと意思を伝えてきたり、「なんでも自分でやりたい」という欲求から、ルールを破って危ない行動に出てしまったり……。
成長過程特有の行動とはいえ、見守る大人にとっては大きなストレスを抱え、疲弊してしまう原因になることも。
そんなときは無理に向き合おうとせず、ひとまずクールダウンを。
イライラや怒りが大きいのは、それだけ熱心に向き合おうとしているからともいえますが、ヒートアップしてしまっては逆効果です。
まず、大人が冷静であること。
感情のままに怒鳴ってしまいそうになったり、イライラで心がいっぱいになったりするときは、子どもと離れてみることも大切。
子どものいる部屋から離れて、呼吸を整える。子どもよりもまず自分と向き合う時間をつくれるようにしたいものです。
環境が許すなら、パートナーや家族、託児施設に子どもを預け、一時的に離れてみるのもいいですね。
クールダウンを経て、穏やかな気持ちで接することで、子どもの気持ちが落ち着くこともあります。 -
声かけには「変化球」を投入
いくら「お着替えしてね」「トイレに行こうね」と声をかけても、気分ひとつで「イヤ!」と返してくるのがこの時期の子どもたち。
たとえ子どもの好きなことであっても拒絶されてしまうので、見守る大人には根気が求められてしまうものです。
そんなときは、声かけの言葉に変化球を。
たとえば「早くごはんを食べなさい」というよりも「あったかいうちに食べてほしいってごはんが待ってるよ」。「お出かけだから靴を履いて」というよりも「今日はどの靴を履いておでかけをする?」と選ばせてみる……。
どんな言葉が効くか、どんな言い回しが効くかは個人差がありますし、この時期の子どもたちに必ず効く「魔法の言葉」なんてものは存在しません。
昨日までよく効いていた声かけも、今日になったら効かなくなった……なんてこともあるものです。
効き目があるかどうかは、子どもたちの気分次第。
やっかいではありますが、いろいろな角度から声かけの変化球を投げてみましょう。 -
反抗期だからこそ甘えられる時間を
そもそも反抗は、子どもたちが心を開放し、安心して気持ちを出せているからこそ起こるもの。
「保育園や幼稚園ではイヤイヤがないのに、家ではかんしゃくがひどくて……」と心配をする保護者の方もいますが、オンオフを切り替えられる子どもなのかもしれません。
第一次反抗期を迎えた子どもたちは、少なからず不安を抱えているものです。
拒否や拒絶、かんしゃく……とジェットコースターのように変化する子どもたちの気分に翻弄されてしまいがちですが、反抗期だからこそ甘えたい心に寄り添うことが信頼関係の構築につながります。
共働き世帯やひとり親世帯で、あまり子どもと触れ合う時間が取れないという場合であっても、眠る前のたった五分、短い絵本を読んだり、抱きしめる時間をつくったり……と、甘えられる時間をつくる習慣づけをするといいですね。
とはいえ、幼児期は大切なしつけの時期でもあります。
危険なことをしたときや、いけないことをしたときは毅然とした態度で叱るなど、メリハリをもって接することが必要です。
反抗期がない子もいる?
保護者のなかには「うちの子、反抗期がないんです」と不安に思う方も少なからずいるものです。
ですが、反抗する態度は、自我の芽生えによって起こる態度のひとつにすぎません。
反抗や拒否、拒絶、かんしゃくとは違うかたちで自分の意思を伝える子もいますから、反抗する態度にこだわらず、自分の欲求を伝えられているのであれば心配はありません。
「いったい今どんなふうに考えて行動しているのかな」と、子どもたちの心を想像してみる癖をつけてみましょう。
手を焼いてしまいがちな第一次反抗期ですが、子どもたちの大切な成長過程です。
とはいえ、あまり気負わず、子どもたちの心に寄り添うようなゆるやかな姿勢で見守っていきましょう。