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進む公立保育園の民営化|保育士求人募集なら保育ぷらす
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進む公立保育園の民営化
目次
これまでは、地方自治体が運営する公立保育園と企業や社会福祉法人が運営する私立保育園が共存していました。
ところが、ここ数年で公立保育園の民この公立保育園の民営化とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
簡単にいうと、これまでは地方自治体によって行われていた公立保育園の運営を、企業が運営していくように切り替えていくことが民営化です。
行政がこのような公立保育園の民営化を進める理由とはいったいなに?
①運営費の削減
保育園経費の8割は人件費です。
民営化を図ることで、公務員である保育士を民間の保育士に置き換え、保育園経費の削減を実現する狙いがあります。
②多様化するニーズに対応、サービスの向上
女性の社会進出により、保育園の利用が急増しました。それに伴って、サービスの多様化が求められるようになりました。
例えば早朝、夜間の延長保育を充実、障害児保育、習い事の導入など、多種多様なニーズが求められています。そこで公立保育園の民営化はこれらを実現できるとして、注目されているのです。
③待機児童の大幅削減
民間保育園である私立の場合、運営費に国からの負担金が出ます。公立保育園の運営をしている市区町村としては、私立保育園はウエルカムなのです。公立と私立の運営費は1園につき、おおよそ3000万円の差があるといわれています。市区町村が公立保育園の民営化を推進するのもうなずけるでしょう。民営化が進むと、多くの企業が保育事業へ参入することが予想されます。そのため保育園の数もかなり増加するわけです。受け皿が増えると子育て支援の最大の目的である「待機児童の削減」が実現します。国としても積極的に民営化を進めたいはずです。
公立保育園の民営化による保育士のメリット公立保育園の保育士は公務員なので、給与や待遇面では地方公務員と同じです。
地方自治体が運営しているため安定しているというイメージが強いと思います。
しかし、企業の保育事業進出は保育士にとってもメリットは大きいのです。
民間企業は保育士の環境づくりへの取り組みに対して柔軟性があります。
例えば、人事制度の柔軟性。公立は3~5年に1度のペースで転勤がありますが、私立保育園では定期的な異動はなく、本人の意向の確認や家庭の事情への配慮などがあり、保育士にとっては働きやすい環境です。
また、保育実務において専門性の高い分野については、専門家を積極的に取り入れる体制を整えているのが民間企業運営の私立保育園です。
保育士は保育のプロであっても、専門性の高い分野になると素人です。自閉症や発達障害のある子供などのサポートはプロの力が必要です。外部のプロによるサポート体制を取り入れるなどの工夫をこなす私立保育園。保育士には心強い存在といえるでしょう。
一方、公立は行政の関わりが深いため、昔ながらのやり方を継承しているケースがほとんどです。
そのため、保育の現場で保育士が改革をするというのは難しいこと。
その点私立の場合は柔軟に保育士の意見を取り入れ改善をするので、保育そのものがやりやすくなります。
保育士がより良い環境で、質の高い保育を行うことが出来るよう、保育士の意見にも耳を傾ける私立保育園。保育士にとって、民間企業の運営ならではのメリットが沢山あるのです。
公立保育園と私立保育園の違いを知る。
公立保育園の民営化は保育士転職のチャンスになる?!
公立保育園は地方自治体が運営しています。
私立保育園は企業、社会福祉法人、学校法人などが運営しています。
公立保育園は国の定める「保育所保育指針」に基づいた経営方針のため、公立保育園間での差はほとんどありません。
一方、私立保育園では運営母体が異なるため、経営方針も様々。保育園によって違いがあります。それぞれ特長があり、保育園の間で大きな違いもあります。
行事、イベントに関しては、公立は基本的にシンプル。
私立は華やかなイベントが多く、行事は盛んに行われる園が多いです。
公立は育児休業の充実から、離職率が低く、保育士の年齢層は高い目。
私立は育児休業が取れず、結婚、出産を機に退職する人が多い。そのため離職率が高く、人が頻繁に入れ替わるので、若い保育士が多いのが特長です。
近年は公立保育園の民営化が急速な広がりをみせています。とはいえ、全国の保育園が100%民間、つまり私立保育園になるとは限りません。ですので、保育士は将来を展望して
職場選びをしなくてはならないことを頭に入れておきましょう。自分に合った職場選びのためにも、公立、私立それぞれの特長を知っておく必要があります。
ただ、今後公立保育園民営化は加速していくことが見込まれています。
民営化は保育士にとっては転職のチャンスになる?
公立保育園が民営化される際、保育士の大幅な入れ替えが行われるでしょう。
すると給与が下がる、保育時間延長で仕事の量が増えるなど、目先のことに目をむければデメリットが目立ちます。しかし実際はそうではありません。
経営母体が保育士の質をみるようになるということは、資格、能力のある保育士への評価は高くなります。頑張ったら、それが評価され給与に反映されることもあるでしょう。
そしてこれからは保育園の数も増え、特長のある保育園が多くなります。すると、保育士には選択肢が広がることに。すなわち自分に合った職場選びがしやすくなります。公立保育園民営化は転職のチャンスとも言えるでしょう。
保育園の民営化が保護者や子供にもたらすメリット
保育園の民営化は各自治体の裁量で進められています。
この民営化、今全国的な広がりをみせています。
ところが、民営化の動きに否定的な意見もまだまだ多く、賛否が渦巻いているのが実状です。そんな保育園の民営化、いったい保護者や子供にどのようなメリットがあるのでしょうか?
出産後も女性が働く時代になり、保育園利用者は増加の一途をたどっています。それと同時に、保育サービスに対するニーズが多種多様となり、公立保育園の受け皿では満足できないケースが出てきています。
また公立保育園の時には利用できなかった人たちが、私立の保育園では利用できるようになったというパターンも。早朝、夜間、休日といった延長保育への対応により、保育園を利用できるようになったという人が増えてきています。まさに公立保育園の民営化のメリットといえるでしょう。
民間運営は公立とは違い、サービス拡充のための動きが柔軟です。保育の質の向上がいち早く行えます。
「預ける保育」から「育てる保育」へとニーズが変化している今日このごろ、個々の子供の能力や感性を磨くことが出来る保育に期待の目が注がれています。
公立保育園の民営化の狙いとは
地方自治体が運営する公立保育園。
その自治体の運営負担の軽減、公務員の定数を削減、保育の質の向上。これらが実現するということで期待が寄せられています。
公立保育園の民営化が進むと、保育園の数が増加し、それに伴い様々な個性を持つ保育園が増えると予想されています。多様化するニーズに応える園が増え、保育園の質の向上につながります。
また、保育士が資格や能力で評価されるようにもなります。
能力のある保育士が評価される時代になると、保育士は自身のスキルアップに力を注ぐようになるでしょう。
すると公立保育園の民営化は保育園のみならず、保育士の質も上げることにつながるのです。
ところが民営化はまだまだ不安視される傾向にあります。
公立保育園に勤務していた人からすると、公務員の頃より給料が下がる。手厚い保証がなくなる。仕事の量が増えるなど、不安材料は山積です。
しかし、保育園運営も日進月歩、日々進化しなくてはなりません。時代はグローバルな時代へと変化しています。保育園も「預かる保育」から「育てる保育」へと変化しなくてはならないのです。
民営化を進めることだけに力を注ぐのではなく、質の高い保育園を目指す努力をし、それを支える保育士の努力、これらが揃うことで保護者や子供が安心して利用できる保育園ができあがるのです。
公立保育所の民営化のデメリットが先行していますが、全国で民営化は着実に進んできています。
まずは保育園を運営する団体、利用する保護者、保育士が民営化をよく理解し、受け入れ、
発展に貢献する気持ちで努力することが民営化のスタートラインなのかもしれません。