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深刻化してあちこちにシワ寄せが!苦肉の策として利用される「仮面復職」とは?|保育士求人募集なら保育ぷらす
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深刻化してあちこちにシワ寄せが!苦肉の策として利用される「仮面復職」とは?
目次
待機児童問題が深刻化する中で「仮面復職」という現象が起きているのをご存知でしょうか?実際には復職していないのに書類上では復職したことにして、希望の保育園に入園させてもらえるよう優先順位を上げて、子どもをなんとか保育園に預けるという保育園に入れないと、しかし実際にはまだ休暇を貰っているという悲しい現実が引き起こしている問題です。
仮面復職の問題点やママたちの苦しい気持ちなど、今回は仮面復職を通して見えてきた日本が抱える問題に迫ります。
仮面復職の様々なパターン
仮面復職は産休取得中のママたちが、実際には復職していないが、もともと働いていた会社に復職したことにして、職場復帰したことを装います。通常の有休だけでなく、リフレッシュ休暇などをつなげて復職を先伸ばしたり、有休を利用して仮面復職をし、保育園に入園が決まった後で育休を取るパターンなど、その方法は様々です。
産前産後休暇、育児休業、有給休暇の日数を1日単位でカレンダーにはめて、休める日数を数え、保育園の申し込み期限に合わせて必死に調整するのです。
多くのママが考えるのは同じこと
多くのママは、子どもが1歳になるくらいまでは、仕事を休んで子育てに専念したい、そして子供が1歳になった後の4月には認可保育園に入園させ、職場復帰するのが理想的なシナリオだと思っています。しかし、4月は同じように育休明けの入園希望者が多く、認可保育園の定員を超える申し込みによって、厳しい選考になってしまうのです。そこで、優先度を上げてもらうためにできる苦肉の策がこの仮面復職なのです。
そのため、4月以前は認可外の保育園に預けつつ、認可保育園の申し込みまでに職場復帰している証明書を準備し、それらの証明書を認可保育園の入園申し込みのタイミングで提出します。そうすると、「この人はすでに働いており、保育の必要性が高い」と判断され、入園選考では育休中の人よりも優位に立てるのです。
仮面復職はしたくてもできるわけじゃない!限られた人だけの「裏技」
現状、実際に仮面復職をしている人は多いわけではありません。というのも、子どもが生まれた月によっては、有休を使い果たしても入園申し込みのタイミングと合わなかったり、仮面復職を職場が認めてくれない場合もあります。有休が多く、様々な条件に恵まれた人だけができる裏技なのです。
自営業や非正規雇用のママは喉から手が出るほど羨ましい「仮面復職」
そもそも、自営業や非正規雇用のママたちは、有休どころか育休すら取ることができません。国の政策としては、親が育休をしっかり取れるように、年度途中でも入園できる「入園予約制」を導入するよう自治体に促していますが、なかなか実現していないのが現状です。
育休を最長2年まで取れるようにするための法改正も検討されていますが、施工された場合は本当に機能するのか疑問の声もあります。また、こうした「入園予約」や「育休延長」の制度も、結局のところ自営業の人たちはその恩恵を受けることは難しいでしょう。
仮面復職の問題点
≪①暇つぶしに必死≫
仮面復職をしているママは働いているフリが必要になります。とあるママは、保育園に子供を預けに行くと、その後はファミリーレストランやインターネットカフェに入って数時間、時間つぶしをします。育休は終わっていますが、仮面復職によって働いているフリをしないといけないので、職場に出勤することはできません。
すべてのママがもちろんそうしているわけではありませんが、こんな現実もあるのです。一体何のための育休や産休、有給なのでしょうか?認可保育園に預けることがすべてだと思い込んでしまっているママたちが多すぎるのかもしれません。
≪②子供が病気になったら?≫
子どもは大人のように体調管理が得意ではないので病気になりやすいものです。仮面復職によって、子どもを認可保育園に預けられることになったとしても、ママたちには次の不安が襲います。それは、実際に職場に復帰した後、仮面復職期間に有休をほとんど消化しているため、子どもが病気や事故をした時に有給が残っていないということです。有休をすべて消化した後、どうやって休みを取ればいいのでしょうか?
また、病気だけではなく、お遊戯会や運動会など、仕事の日と子どもの保育園のイベントが被ってしまった場合、お休みが取れない可能性が高まります。どうしても休む際は有休ではなく欠勤扱いになることもあるでしょう。そうすると、お給料が減ってしまうことにも繋がり、これが本当に良い解決策だとは言えないのが現実なのです。
≪③仮面復職させる会社側もリスク≫
仮面復職期間中は会社側としてはただの有休消化扱いなので問題ないかもしれません。しかし、上記のように実際に復帰後に子どもの病気などを理由に従業員が欠勤をすることは初期場としてもやはり望ましいことではありません。会社側としてもそのリスクを抱えながら仮面復職について判断を迫られているのです。
まとめ
今回は仮面復職についてお話してきましたが、いかがでしたか?子どもを保育園に預けるための戦いに勝ち抜くために生まれた「仮面復職」という裏技ですが、ママ達もしたくてしているわけではありません。仕方なく職場の上司を必死に説得し、後ろめたさを感じているママもたくさんいます。
年々、核家族化が進み、身内などに子供を預けられない、ワーキングマザーが増加している中で、少子化で子供の数は少ないはずなのに、なぜ待機児童問題は解決しないのでしょうか?保育園や保育士不足など、政府の対策の遅れによって、仮面復職のような予想だにしなかった問題が生まれているのです。
自営業や非正規雇用のママも含めて、社会で活躍するすべてのワーキングマザーが安心して子供を預けられる環境が一日でも早く整うことを期待したいですね。