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世界で一番、子どもが幸せな国。オランダの保育とは?

オランダの保育
ユニセフが行った子どもの幸福度調査で、2007年と2013年、首位を獲得したオランダ。就学前に利用できる機関にはどのようなものがあるのか、そして、幼児期にはどのような教育を受けることができるのか、子どもを取り巻く環境についてご紹介します。

オランダと言えば、チューリップや風車を思い浮かべる方が多いと思いますが、オランダはユニセフが行った“先進国における子どもの幸福度”調査において、2007年・2013年に1位を獲得した国としても知られています。今回は、オランダの保育について迫ります。

 オランダでは週5で勤務する人が少ない!?

日本とオランダの会社における大きな違いとして、“週当たりの勤務日数”がありどういうことかというと、日本は週5で勤務するのが当たり前ですが、オランダでは週5日で働いている人はほとんどいないということ。週4、または、週3で働いている人が一般的となってい

また、オランダでは政府による『ワークシェアリング』が導入され、子どもを持つ女性の就業率が約70%と、女性の就業率が高くなっていますが、出産後は、育児に専念するための有給休暇を約4週間取得することができます。共働きの場合、夫婦はどちらも育児休業を取得することができ、この育児休業をオランダでは“両親のための休暇”と呼ぶこともあるようです。

4週間以上の育児休業を取得したいという場合には、“生涯時間貯蓄制度”を利用することができます。この制度は、年収の12%を上限に、税の優遇措置を受けながら貯蓄をすることができるというものであり、無給の期間の所得保障に当てることができます。貯蓄する間だけでなく、貯蓄を引き出す場合も税の優遇措置が適応されるため、育児に専念しやすい制度や環境が整えられていると言えます。

4歳で小学校に入学。就学前に利用できるサービスは4

小学校というと、日本では6歳になってから入学するというのが当たり前ですが、オランダでは、4歳の誕生日を迎えた日から入学することができます。

小学校入学前の未就学児は、

  1. 保育園(Kinderdagverblijf)
  2. 幼稚園(Peuterspeelzaal)
  3. 保育ママ(Oppas)
  4. ベビーシッター

というサービスを利用することが可能となっています。

保育園

オランダの保育園は、0歳から3歳を対象とした施設。朝6時から夜7時まで、子どもを預けることができます。朝食を用意してくれるなど、手厚いサービスを受けることができ、共働きの家庭で人気の施設となっています。保育者は有資格者であり、学校に併設されている場合が多くあります。

幼稚園

オランダの幼稚園は、週2日、もしくは、週3日。午前中9時頃から11時半、または午後1時から3時までの1回2時間程度預けることができます。

幼稚園では、工作や歌、外遊びなどの活動を中心に行い、食事をすることはありません。

子どもの教育を行う施設であり、言語や社会生活、身体的な成長に重点を置いた教育が行われ、通知表もあるとされています。

保育ママ

保育ママは、少人数で家庭的な雰囲気のところが多いのが特徴ですが、保育者が資格を保有していないという場合もあるようです。保育時間をフレキシブルに設定することができるというメリットもあるようです。

ベビーシッター

自宅に来て、子どもの世話をしてもらうというシステムですが、ベビーシッターセンターからの派遣か女子高校生のアルバイトが一般的です。

オランダ語を話せない子どもを対象に、就学前の早期教育も

さまざまな幼児教育が実施されているオランダでは、オランダ語を母語としない子どもを対象とした就学前・早期教育(VVE)も行われています。

VVEを取り入れている施設では、週4日、言語能力の遅れが無く小学校生活が送れるようにということに焦点を当てた教育プログラムを行っています。

親の参加が必要となりますが、自治体からの補助金も支給されます。

 

教育方法はさまざま

オランダは、100の学校があれば、100の教育があるといわれています。そんな中で良く知られているイエナプランとピラミッドメソッドについて、簡単にご紹介します。

イエナプラン

オランダの保育

オランダの幼児教育の中でも知られているのがイエナプラン。

耳にしたことがあるという方も多いと思いますが、イエナプランは、ドイツで生まれ、オランダで多く取り入れられている教育法です。

イエナプランの特徴は

  1. 根幹グループ
  2. 4つの活動を繰り返して行う
  3. リビングルームとしての教室
  4. ワールドオリエーション

の4つ。

根幹グループ

イエナプランでは、同じクラスに異なる年齢の子どもたちが所属しています。通常、3つの年齢によってグループが構成されるイエナプランでは、年少・年中・年長のそれぞれの立場を経験することによって、子ども同士で教え合ったり、いろいろな立場を経験することで相手の立場に立って行動することが可能となるとされています。

4つの活動を繰り返す

イエナプランの特徴は、“会話”“遊び”“仕事”“催し”の4つの活動を繰り返して行うというもの。

クラス全員で行う会話(サークル対話)、そして、ゲームやダンス、自由遊びなどの遊び、設定した課題を達成するための仕事(学習)、学芸会や行事などといった催しを繰り返して行うことによって、1人1人の成長を大切にしています。

リビングルームとしての教室

イエナプランでは、教室をリビングルームとしてとらえます。

子どもたちが相談して教室内の内装を整えていくことで、過ごしやすい空間を作ることができます。また、何かあった時に話し合いをするサークル対話のためのスペースが設けられているのも特徴です。

ワールドオリエーション

ワールドオリエンテーションでは、設定したテーマについて、子どもたち自身で取り組むことによって、学んでいくというもの。

テーマは、子どもたち自身で決めていますが、この際に、先生がうまく誘導しているようです。

イエナプランに基づいた教育を行うことによって、1人1人の持つ能力を伸ばし、自主的に学ぶ姿勢を持つ子どもを育てることが可能となります。

ピラミッドメソッド

イエナプランと同じく、オランダで導入されている教育法として、ピラミッドメソッドがあります。

ピラミッドメソッドは、1994年、オランダ政府教育評価機構(Cito)が開発した幼児教育法であり、オランダをはじめ、ドイツやアメリカでも導入され、ピラミーデとも呼ばれています。

“自分で選択して決断できる力を養う”ことに重点を置くピラミッドメソッドの基本概念は

  1. 子どもの自主性
  2. 保育者の自主性
  3. 寄り添うこと
  4. 距離を置くこと

の4つとされています。

子どもたちが本来持っている“学びたい”という教育的な欲求と“認められたい”という養護的な欲求を満たすことによって、自主性を育むことができるとする教育法がピラミッドメソッドであり、子どもたちの欲求を満たすためには保育者が子どもたちに必要な支援を行っていくことが大切とされています。

また、子どもに寄り添うことによって信頼関係を築くこと、そして、発達に合わせて外の世界に導くことを大切にしています。

幼児教育施設にはペアレントルームもある

オランダの幼児教育施設にあって、日本にないものの1つに、ペアレントルームがあります。

ペアレントルームは、子どもが入園する際に、親や先生と過ごすことで園の雰囲気になれるための場所として、また、先生と親とが話をするための場所として利用されています。

ペアレントルームには、紅茶やコーヒー、雑誌や子どものおもちゃなどが準備されていて、短時間だけ子どもを預ける親がお迎えまでの時間を過ごすこともできるようになっています。

自主性を大切にするオランダの教育

イエナプランやピラミッドメソッドなど、自主性を大切にした教育方法が取り入れられているオランダの教育現場。

子どもたちの欲求を満たし、成長を促すことができるだけでなく、保育者や保護者の成長も期待できるのが、オランダの保育のポイントと言えます。

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