政府が企業主導型保育所の拡張を発表。その動向って？｜保育士求人募集なら保育ぷらす

松山政司少子化対策担当相は15日、閣議後の記者会見で、企業が従業員の子どもを預かる企業主導型保育所の定員について、2017年度末までに計約7万人を目指すと発表。当初の計画から2万人分上積みすることを表明しました。
政府は2020年度末までに待機児童ゼロを実現することを目指しており、保育環境の整備に取り組んでいるものの、「産後、保育園に空きがなく、復帰をすることができない」と頭を抱えている方は、未だに多いのが実情です。企業主導型保育所が拡張していくことで、どのように変化していくのでしょうか。

企業主導型保育所ってどんなところ？

そもそも「企業主導型保育所」ってどんなところかご存じでしょうか。企業主導型保育所とは、会社がつくる保育所を指す言葉。国からの助成を受けながら運営する認可外保育施設で、自治体を通すことなく設置することができます。

企業主導型保育所のメリットは、企業で働く従業員の就業時間に応じて保育時間を決められる点。待機児童が多い地域では、パートタイムの勤務では保育園を利用することができなかったり、地域にある保育施設では夜間や休日勤務に対応できなかったり…と、働き方によっては対応できないという問題がありました。企業主導型保育所では、休日保育や短時間保育など柔軟に開所することができるので、子どもを預けながら働くことが容易になります。また、認可外保育施設ですが、国からの助成を受けて運営されていますので、保護者は認可施設と変わらない保育料で通園させることができるため、利用のハードルが低いことも特徴です。

似た施設形態に「事業所内保育所」がありますが、事業所内保育所は認可施設、企業主導型保育所は認可外施設…と、全く異なるものです。

増える企業主導型保育所。コンビニエンスストア業界も参入！

コンビニエンスストア最大手の株式会社セブン‐イレブン・ジャパン（東京）は10日、加盟店のオーナーや従業員向け保育園の保育所を2ヶ所開設することを発表。コンビニエンスストアで働く人材不足が深刻化するなか、子育て中の主婦層が働きやすい環境を整え、加盟店の人材確保に乗り出すねらいです。

保育所は9月末から10月にかけ、東京都大田区と広島市西区に設置される予定で、店舗の2階で預かりを行います。対象となるのは0～2歳児で、定員の一部は地域家庭にも割り当てられます。施設は運営状況を見ながら、全国的に拡張することも検討されるようです。

また、コンビニエンスストア業界では、ファミリーマートも来春、東京都内に保育所を開設予定。人材確保に燃える業界が、続々と企業主導型保育所の運営に乗り出しているという現状があります。

一般的な保育施設よりもハードで高待遇？保育士から見る事業所内保育施設

今後、増加の傾向にある企業主導型保育所。求職中の保育士の方にとっても、今後の就業先候補のひとつとして、気になる施設形態なのではないでしょうか。

企業主導型保育所で働くメリット

企業主導型保育所で働くメリットは、第一に保護者と連携しやすい点。施設の特性上、事務所の近隣に設置されるので、保育中にケガや発熱といったトラブルが起こってしまった場合であっても、保護者と連絡がつきやすいという点で安心感があります。
待遇面に関しては運営企業によって差があるものの、大手企業の企業主導型保育所であれば、福利厚生の充実が期待できるケースも。また、企業主導型保育所を設置するような企業は、子育てをしながら働くことを応援する姿勢のある企業です。産休や育休の取得に理解があるケースが多いため、子育て中でも働きやすいという魅力があります。

企業主導型保育所で働くデメリット

一方で、企業主導型保育所の場合、企業によっては祝日や夜間の対応が求められることも。保育人員の確保などの基準もゆるめですので、保育人員不足で、思うようにシフトを組めず、一般的な保育施設よりも業務がハードになってしまうというリスクもあります。その分、賃金面での手当に期待できるという側面はありますが、体力面と相談して検討したいところです。

企業主導型保育所の開設動向に注目しておこう

女性の社会参画や待機児童問題の解消を目標に、さらなる拡張が行われる予定の企業主導型保育所。運営企業によって働き方や待遇面には差がありますが、思わぬ高待遇の求人に出会えることもあるのが魅力です。保育業界で転職を検討している方は、ぜひ企業主導型保育所の開設動向にも注目しておきましょう！