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今日のアメリカ合衆国憲法の基礎となった「ヴァージニアプラン」とは?
目次
ヴァージニアプランとは、米国ヴァージニア州教育委員会が1920年代の大恐慌下の経済復興と教育復興のために作成した、初等・中等学校を一貫する総合学習カリキュラムです。
主な目的としては「人格の統合」と「社会的態度」の形成が挙げられます。
第4代アメリカ合衆国大統領ジェームズ・マディソンが起草
ジェームズ・マディソンは、アメリカ合衆国の政治家、政治学者であり、第4代アメリカ合衆国大統領です。
「アメリカ合衆国憲法の父」と呼ばれ、対外宣戦布告をした初の大統領であり、また戦災により首都から避難した唯一の大統領でもあります。
ヴァージニアプランは、1787年のフィラデルフィア憲法制定会議で、ジェームズ・マディソンによって起草されました。
ヴァージニアプランと三権分立による革新的連邦制度が今日のアメリカ合衆国憲法の基礎となっていると言われています。
「ヴァージニアプラン」は「コアカリキュラム」の一種
「ヴァージニアプラン」を理解するために、カリキュラムや、その種類についてまず知っておきましょう。
≪そもそもカリキュラムとは?≫
日本ではカリキュラムは教育課程と訳され、一般的に国が定めた公的な枠組みとしての「学習指導要領」を意味しています。一方、欧米では、カリキュラムは「学びの経験の総体」として、教材や授業の計画,授業や学びの全てと評価を含んだ意味を持っています。
≪カリキュラムの流れ≫
カリキュラムは次の①~④の順で変化していきました。
①教科カリキュラム
19世紀になり、読み書き算と宗教教育の流れを受けて、伝統的な知識と技能の学問体系により科目を細分化し、体系的知識の伝達が主な目的として教科カリキュラムが誕生しました。
教材と学習者の学習到達度は重視されていましたが、子どもたちの興味や関心はこのカリキュラムには考慮されていません。
②経験カリキュラム
1920年代になり、子どもたちの生活や経験を教育の基盤とするようになり、学習内容を系統化するのは困難なこともあり、子どもたちの関心や興味を重視するようになりました。
しかしながら、学力低下の批判を受けたことによって教科カリキュラムに戻りました。
③学問中心カリキュラム
1960年代、子どもたちが次の発達段階に誘い込まれるような学問的概念と学問的知識によって構成された学問中心カリキュラムが誕生しました。
学問主義、専門主義であり、知識を構造的に把握したことを求めたため構造主義とも呼ばれました。
④人間中心カリキュラム
1970年代に入ると、授業についていけず、落ちこぼれの生徒がたくさん出るという問題が発生しました。
子どもたちの欲求、興味が強調され、内発的意欲の動機付けが重視されるようになります。
この時から、世界的にカリキュラムの社会的且つ人格的適切性が主張されるようになりました。
≪社会科を中心に学ぶ「コアカリキュラム」≫
大恐慌だった1920年代に台頭した2大カリキュラムが、「教科カリキュラム」と「経験カリキュラム」です。
ヴァージニアプランは、コアカリキュラムに属しており、コアカリキュラムは経験カリキュラムに属します。
コアカリキュラムの最も特徴的な点は、中心となる基本的科目を決め,それに関連する科目を周辺に配置するスタイルです。学問体系や教科構造を前提とせず、子どもに共通して基礎となる内容を中心に学習するということです。
具体的に言えば、社会科を中心として学び、社会科を学ぶ中で、学習場面に応じて必要な算数や理科を学習していくのです。
実践的に、生活の中で活かせる知識とスキルを身につけることを目的に、それに必要な限りで基礎的な知識や技能を学習します。
≪カリフォルニアプラン≫
カリフォルニアプランは、アメリカのカリフォルニア州教育局のカリキュラム委員会が作成した指導書に盛られたカリキュラム方式です。
カリフォルニアプランも、ヴァージニアプラン同様にコアカリキュラムに属します。
「教育は生活である、教育は成長である、教育は社会過程である、教育は経験の再構成である」というデューイの基本的見地にたって、カリキュラムは児童中心のプログラムであること、活動のプログラムであることを進めています。
中心となる教科は理科を含む社会科で、コアカリキュラムの典型と言われていました。
まとめ
今回は「ヴァージニアプラン」についてお話しましたが、いかがでしたか?
第4代アメリカ合衆国大統領、ジェームズ・マディソンによって作られたヴァージニアプランは、三権分立と併せて今日のアメリカ合衆国憲法の基礎となっているとお伝えしましたが、GHQのマッカーサーが日本国憲法を持ち込んだことを考えると、つまりは今の日本の憲法にも影響を与えていることがわかります。
また、カリキュラムはその時代に合わせて変化し、今に至っていることが伺えますね。
私たちはITなど、技術の発展とともに柔軟に学び方を変えていく必要があるのでしょう。