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保育園では?家庭では? トイレトレーニングの基本|保育士求人募集なら保育ぷらす
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保育園では?家庭では? トイレトレーニングの基本
目次
おむつを卒業し、ひとりでトイレに行けるようになるタイミングは子どもによってさまざま。
保育園で子どもたちを預かるうえで、トイレトレーニングは避けては通れない課題のひとつですね。
今回は、トイレトレーニングの基本をおさらいしつつ、保護者との連携の仕方の一例などをご紹介します。
トイレトレーニングはいつからスタート?
トイレトレーニングをスタートするタイミングは子どもによって異なります。
保育の現場では、子ども一人ひとりの様子を確認しながら、子どもに合わせたタイミングでトイレトレーニングをスタートするのが一般的です。
では、トイレトレーニングをスタートするタイミングを見極めるには、子どものどんなところをチェックすればいいのでしょうか。
【トイトレスタートの目安】
- 立って歩けるかどうか
トイレトレーニングをスタートする目安のひとつが「ひとりで歩けるかどうか」。
なかにはまだねんねのころからトイレトレーニングをはじめるという方法もありますが、一般的には子どもが自分の意思で動けるようになってからスタートするのが一般的です。 - おしっこを30分溜めていられるか
個人差はありますが、1歳半を過ぎたあたりから、排せつ感覚がひらき、ある程度まとまった量の尿を溜めておけるようになります。
一般的には、排せつ間隔が30分あくようになったらトイレトレーニングスタートの目安です。
排せつ間隔がひらかないうちにトイレトレーニングを始めてしまうと、トイレの回数は必然的に多くなりますし、尿意をうまくつかめない状態のままスタートすることになり、失敗する回数が増えてしまう恐れがあります。
子どもによっては、失敗がきっかけでトイレトレーニングに消極的になってしまう子もいますから、焦らず、きちんと排せつ間隔がひらいてから始めるのがベターです。
紙おむつの場合、尿が出たらおむつ替えサインが出るのでわかりやすいですね。
濡れる間隔が一定になってきはじめたら、トイレトレーニングスタートの合図です。 - 濡れた感覚がつかめているか
それから、子どもが濡れた感覚をつかめているかどうかも重要なポイントです。
子どものなかには、排せつ間隔がつかめるよりも先に、濡れる間隔をつかむ子もいます。
「おしっこ、でたよ!」と教えられる子であれば、排せつ間隔がまだ整っていない場合であっても、トイレトレーニングを始めてみてもいいでしょう。
「おしっこが出た」という感覚をつかめる子であれば、排せつ前の「おしっこが出そう」という感覚をつかみやすく、トイレトレーニングが進む可能性があります。 - 言葉やしぐさで伝えられるかどうか
大人の言葉を理解し、簡単な会話ができるかどうかもポイントです。
「ちっち、でた」程度でも構いませんし、言葉がまだ出ないようであれば、股やおなかをおさえて尿意を伝えるなどのしぐさができればかまいません。
言葉やしぐさで自分の意思を伝えられるようになってくると、トイレトレーニングもスムーズです。
これらの条件を満たしはじめるのは、およそ1歳半から2歳前後ですので、トイレトレーニングをはじめる年齢としては、ちょうどそのぐらいのころがちょうどいいとされています。
もちろんこれらはひとつの目安。子どもたちに合わせたり、園の方針によってタイミングを変えたり……とさまざまです。
中には、0ヵ月からおむつを使わず、トイレトレーニングをはじめる……という方法もありますが、実際におむつがはずれるのは、早い子でも2歳頃。
3歳頃までに外れるという子が一番多く、2割程度は3歳以降までかかりますので、焦らず子どもの成長に合わせていくのがいいとされています。
トイレトレーニングの始め方は?
- まずはトイレを教えよう
おしっこって何?うんちってどんなものだろう。
毎日排せつをしているとはいえ、子どもたちにとっては未知のもの。
おむつ替えのときに「おしっこいっぱい出たね」など、声かけをしていくことによって、子どもたちはうんちやおしっこの存在を認識していきます。
保育園では、本来はトイレで排せつをするものだというのを教えるために、絵本や紙芝居、人形をつかった劇などを使っています。 - トイレに行く習慣づけをさせる
保育園では、食事の前や後、お昼寝前などにトイレに行く時間をつくっている園が多いものです。
まだトイレで用を足せない子であっても、ズボンやパンツをおろし、便座に座り、水を流すところまでの流れを子どもたちに覚えさせ、トイレに行くことを習慣づけるという目的があります。 - 行きたくなるトイレづくりを
遊びに夢中で、自分の世界に入っている子どもたちをトイレに連れ出すのは簡単なことではありません。
ですが、無理やり連れて行って、機嫌を損ねてしまうようでは逆効果。
トイレに行くのがどんどん嫌になり、苦手意識がついてしまうこともあります。
ポイントは、行きたくなるようなトイレをつくること。
保育園のトイレは子どもたちの好きな動物やキャラクターでかわいらしくデコレーションされていることがほとんどです。
トイレが「行きたい場所」になるように、トイレを装飾してみるのもおすすめですよ。 - こまめに連れ出さず、あえて我慢させる
子どもに「そろそろ出るかも」という感覚をつかませるためには、大人が導きすぎるのもNG。
自発的にトイレに行けるよう、あえて尿意を感じるまで「我慢させる」ことも大切です。
トイレトレーニングをはじめる時期は?
保育園の場合は集団生活ですので、みんな一斉にトイレトレーニングをはじめますが、家庭の場合は、「二歳の夏」にトイレトレーニングをはじめることが多いようです。
夏であれば、下着を濡らし、頻繁に着替えることで風邪をひいてしまう……なんてことも少なくて済みますし、洗濯物も乾きやすく、汚してしまった場合の負担も少なくて済みます。
とはいえ、生まれ月によってはタイミングが合わないこともありますのであくまで目安。
子どものタイミングではじめましょう。
「トイレトレーニングは子どものペースで」がトレンド
かつては「おむつはずし」と呼ばれていたトイレトレーニング。
ですが近年では、「おむつは周りの大人の手によってはずすものではなく、子どもの成長に合わせてはずれるのを待つもの」という考え方が一般的となり、おむつはずしという言葉は使われなくなっています。
トイレトレーニングの考え方は、保護者や園の方針によって異なりますが、最近では、子どもの心と体の成長を見守りながら、一人ひとりに合わせてトイレトレーニングを行うのが主流になってきました。
とはいえ、子どものペースに合わせるとなると、見守る大人に忍耐が求められる場面もあるものです。
なかなかトイレに行きたがらない。
漏らしてしまっても気にせず遊んでいる。
不快感を訴えることすらしない。
「どうしてこの子はまだトイレトレーニングが進まないのだろう……」
多くの子がトイレトレーニングを卒業していく3歳頃を迎えると、つい焦ってしまう保護者の方が少なからずいます。
保育士の方であれば、こうした悩みを抱える保護者の方から相談を受けた経験があるかもしれませんね。
トイレトレーニングでいけないのは、見守る大人が、子どもを急かしたり、叱ったりしてしまうこと。
「大人になってもおむつがとれない」……なんてことはめったにありませんから、子どもの成長を穏やかな心で見守りたいですね。