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子育て世帯の流入を狙う流山市の「送迎保育ステーション」事業が魅力的!

保育園を選ぶうえで欠かせない条件が「自宅から園までのアクセス」ですよね。抽選に漏れて、自宅や駅から離れた保育園に入ることになってしまった…そんな家庭を救ってくれるサービスが流山市の「送迎保育ステーション事業」です。

2013年に「母になるなら、流山市。」のコピーを掲げ、子育てのしやすい街であることをPRしはじめた千葉県流山市。以前は商業施設も少なく、街の高齢化が進んでいた流山市でしたが、病院やファミリー向けマンション、保育施設などが整備された結果、近年ではファミリー層の流入が進んでいます。今回は、流山市が取り組んでいる数々の子育て支援事業のなかから、共働き家庭にうれしい「送迎保育ステーション事業」についてピックアップしてご紹介します。

 流山市が実施する「送迎保育ステーション」って?

2005年6月に「首都圏新都市鉄道つくばエキスプレス」が開業されたことで、都内へのアクセスしやすさが格段にアップした流山市。つくばエキスプレス沿線には、大型マンションや商業施設が続々とオープンし、いまや各種アンケートで「住みたい街」「住んでみたい街」にランクインするなど、特にファミリー世帯や、プレファミリー世帯から注目が集まっている地域です。

そんな流山市が取り組んでいる子育て支援事業のひとつが「送迎保育ステーション」といわれる事業です。これは、市内の所定の駅近くに設置された送迎保育ステーションと市内の保育園を送迎バスで結ぶことで、安全に登園・降園ができるというもの。保護者は朝、子どもを送迎保育ステーションまで見送り、子どもたちは送迎保育ステーションから各保育園へ登園。帰りも送迎バスで送迎保育ステーションへ降園し、保護者は送迎保育ステーションまで子どもを迎えに行く…といった仕組みになっています。

2017年4月現在、つくばエキスプレス・東武アーバンパークライン「流山おおたかの森駅」、つくばエキスプレス・JR「南流山駅」の各駅に設置されています。いずれも駅から徒歩1分圏内の駅近くにあり、アクセスしやすい立地にあります。

 送迎保育ステーションを利用できる人は?

送迎保育ステーションは、住まいのある住所と保育施設が離れている家庭や、保育施設の開所時間と保護者の通勤時間が合わず、調整が難しい家庭に対するサポート事業です。利用の対象になるのは、流山市の保育施設に通っている1歳以上の子どものうち、住まいと保育園の位置関係の都合で、送迎保育ステーション事業の利用が必要な子どもです。
そのほか、自分の荷物をもってバスを乗り降りできることなどが利用の条件となります。

利用方法は?

送迎保育ステーションを利用するには、事前に市もしくは保育園に申し込みをする必要があります。利用希望月の前月5日までに申し込みを行ったあと、後日、送迎保育ステーションと子どもをまじえての面談があります。利用料金は月額2000円、1日100円です。

 流山市が行う送迎保育ステーションの実情

 

送迎ステーション

 

子どもを保育園に通わせる場合、多くの保護者にとって気になるのが保育園までのアクセスではないでしょうか。家から近い保育園や、通勤経路に近い保育園、駅前の保育園など、毎日通いやすい場所にあることは、保育園選びを行ううえで欠かせない条件ですね。希望する保育園に入ることができればいいのですが、待機児童問題を抱えている地域も少なくない今、希望どおりにはいかず、住まいや駅から遠く離れた場所にある保育園に通わなくてはならなくなった家庭も少なくないのが実状です。

アクセスが悪い保育園に通うことになった場合、通勤時間と園の開所時間が見合わず、園に送ってからでは定時の出社に間に合わなかったり、お迎えの時間が遅れてしまったり…といった弊害も起こります。延長保育を利用すれば実費も発生しますし、送り迎えだけベビーシッターサービスを利用するというのも、現実味がないものです。

駅から離れた園まで送迎するには、自家用車があれば便利ですが、都市部ですと自家用車を持っていない家庭も多いもの。流山市の場合、駅前に商業施設や大型マンションの建設が進んでいることから、都市部から流入してきた世帯も多く、自家用車の所有率はそう高くないという現状があります。

そこで送迎保育ステーション事業をスタートしたところ、流山市の住民にニーズがマッチ。市内に保育施設を続々と増やしていった結果、バスのルートも伸び、停車回数も増えていったため、送迎バスの本数を増やすことで対応が進められています。

送迎保育ステーション事業が難航している地域も

流山市と同様に、送迎保育ステーション事業を行っている地域として、神奈川県横浜市があげられます。ですが、横浜市で行われている送迎保育ステーション事業は難航。地域によっては、2012年4月に送迎保育ステーション事業をはじめるも、利用者がおらず、開設半年で廃止を余儀なくされた地域もありました。そのほかの地域についても、大きく定員割れを起こしている状況です。駅前で子どもを一時的に預かり、保育園までの送迎を行うという仕組みは流山市の送迎保育ステーション事業と何ら変わりはありませんが、いったい何が明暗を分けたのでしょうか。

公共交通機関が発達している地域では不要?

流山市と横浜市の違いは、なんといっても公共交通機関の発達の度合いではないでしょうか。整備されはじめたばかりの流山市とは異なり、日本を代表する大都市である横浜市は、電車やバスといった公共交通機関が十分に整備されています。そのため、遠方の保育園に送迎する場合も、保育園までの交通アクセスがそれほど悪くなることが少なかったのです。また、市内に企業も多く、保護者の通勤時間も比較的短いというのもひとつの理由に挙げられるかもしれません。
また、保育園の数が整備されたことで、多くの家庭が身近に通える園ができたため、遠くまで送迎する必要がなくなったというのも理由に挙げられます。

一見、とても利便性が高く、どの地域でもニーズが高そうな送迎保育ステーション事業ですが、横浜市のようにうまくいかなかった事例もあるようです。ニーズがマッチしているかどうかは、公共交通機関の発達状況や、地域住民の自家用車所有率など、自治体の特性によって変わってくるものかもしれません。

流山市は過疎化が進む地方都市のモデルになりうる?

ファミリー世帯の誘致に成功し、子どもたちの明るい声がたえず聞こえてくる―そんな活気のある街に生まれ変わりつつある流山市。少子高齢化が進む現代、以前の流山市のように過疎化が進み、街の高齢化が進んでいくことに頭を抱えている自治体は少なくありません。子どもを育てやすい街へ変革を行い、都市部からファミリー世帯を誘致するのであれば、流山市のように、自家用車がなくても子育てしやすいまちづくりは不可欠です。
保育事業をはじめ、子育てしやすいまちづくりを進める流山市。今後の動向にも注目したいですね!

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