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「リハビリって楽しい!」“デジリハ”がリハビリテーションの未来を変えるかも

病気やけが、障がいを抱える方が、よりスムーズに生活を送るために行うリハビリテーション。とはいえ、自分の抱える課題に向き合い、日々リハビリに励むという行為は、けっして簡単なことではありません。

今、必要なのは、リハビリを必要としている子どもたちが、楽しみながら意欲的にリハビリに取り組めるような仕掛けづくり。NPO法人Ubdobe(ウブドベ)が取り組む、「Digital Interactive Rehabilitation System (通称、デジリハ)」プロジェクトをご紹介します。

「やりたい!」と感じるリハビリを。デジリハがつくるリハビリの未来

NPO法人Ubdobe(ウブドベ)が立ち上げたプロジェクト「Digital Interactive Rehabilitation System (通称、デジリハ)」。デジリハとは、その名のとおり、デジタル技術を活用したリハビリテーションを指す言葉です。

機能の維持・回復のためとはいえ、時に困難と向き合わなければならないリハビリ。子どもたちが意欲と関心を持ってリハビリに取り組むことができるツールを、デジタルアートで提供するというのがこのプロジェクトの目的です。

インタラクティブアートが発案のきっかけに

デジリハは、音楽イベントで使用されたインタラクティブアートにインスピレーションを受けて発案されたもの。インタラクティブアートとは、観客が参加することで完成するアート作品のことで、観客の動きに合わせてセンサーが反応したり、タッチパネルに触れることで仕掛けが動いたり…と、さまざまなしかけを観客に体験してもらうことで、ひとつの作品を作り上げるというものです。

デジリハ発案のきっかけとなった音楽イベントでは、『宇宙』をテーマに、“触ると音とともに宇宙人が消える”などの仕掛けが施されたデジタルアート空間が提供されており、多くの子どもたちが目を輝かせて参加していました。その様子を受け、「子どもたちの好奇心を刺激するインタラクティブアートの要素をリハビリに取り入れる」という発想で生まれたのが“デジリハ”です。

プロジェクトメンバーは医療とアートのプロフェッショナル集団

デジリハプロジェクト立ち上げに集まったのは、医療とアートのプロフェッショナルたち。医師や看護師、理学療法士、作業療法士といった医療・リハビリのプロフェッショナルはもちろん、サウンドデザイン、イラスト、デジタルアートなど、デジタルアート分野のプロフェッショナルもプロジェクト参加に乗り出しています。

日本に11万人以上。リハビリを必要としている子どもたち

関節や神経の障害、脳性まひ、精神運動発達の遅延、低体重。それから小児がんや臓器移植手術後などの子どもたち…。さまざまな理由でリハビリを必要としている子どもは、日本全国に11万人以上いるといわれています。機能の維持・回復に欠かせないリハビリですが、続けていくことはそう簡単なことではありません。

※出典:社会医療診療行為別統計(各年6月審査分)、雇用均等・児童家庭局母子保健課調べ「小児慢性特定疾患治療研究事業の給付人数」H24度の数より引用

子どもたちがリハビリに向き合うむずかしさ

リハビリは、いわば「できないことを少しでもできるようにするために取り組む」ためのもの。そこには、できないことや苦手なことに向き合っていかなければならないという大きなハードルがあります。

さらにリハビリは一進一退の経過をたどることが少なくありません。「このあいだまでできていたことが、今日はむずかしい」ということもあるでしょう。それでも改善していく可能性を信じ、前向きな気持ちを維持しながら取り組んでいかなければならないというのは、たとえ大人であっても困難なことなのではないでしょうか。

「それでも、頑張ってほしい」わが子を支える親の苦悩

介護 リハビリテーション

全身のストレッチや歩行訓練など、目的によってさまざまなリハビリに取り組んでいる子どもたち。リハビリのなかには痛みや困難を伴うものもあるため、「もうやめたい」「リハビリに行きなくない」と泣き出してしまうことだってあります。ですが、「リハビリを止めてしまえば機能が衰えてしまうのではないか」という危機感や不安を抱えている親は「つらいならやめてもいいよ」と、言ってあげることはできないのです。

「わが子には、できれば苦しい思いをしてほしくない。できることなら代わってあげたい」と感じるのが親心。嫌がっても泣かれても、「それでも頑張ってほしい」と心を鬼にして見守らなければならない親の苦悩ははかりしれません。

病児・障がい児と健常児にコミュニケーションの機会を。デジリハのもうひとつのねらい

デジタルアートを使って「楽しい!」と感じられるリハビリを実施するというデジリハには、もうひとつの大きなねらいがあります。それは「デジリハを通して病児・障がい児と健常児のバリアフリー化をはかる」こと。

現在の日本では、病院や家、支援学校などに通っている子どもたちが、健常の子どもたちとかかわる機会は少なく、同じ街に暮らしていても、お互いを知る機会が少ないという現実があります。たとえ、支援学校と通常学級の“交流”の機会が設けられていたとしても、ゲスト扱いにとどまってしまい、その後の関係が続いていくことが少ないというのが実情です。

デジタルアートをつくりあげるのはキッズプログラマーたち

“デジリハ”をつくるのは、なんとプログラミング教室に通う子どもたち。キッズプログラマーは、リハビリを受ける「プレイヤー」と呼ばれる子の好きなものや好きなことを、「子ども企画会議」を通じてヒアリング。それを素材の抽出やデジリハの構築に反映し、プレイヤーの「好き」が詰まったオリジナルリハビリプログラムをつくっていきます。

このように、デジリハを通してコミュニケーションをはかることで、互いを知るきっかけをつくり、「心のバリアフリー」を築いていくことが期待されています。

「ゲーム感覚のリハビリを多くの子どもに届けたい!」デジリハはクラウドファンディングに挑戦中

将来的には、病院やリハビリ施設、デイサービスなど、さまざまな場所での実施が想定されている“デジリハ”。「壁面は360度、天井も床面もデジタルアートで空間を演出して、リハビリの度に『Wow!!』と子どもたちがわくわくするような場所をつくりたいです。リハビリの帰りに『楽しかったね!』と親子で会話できるなんて最高じゃないですか!子どもたちが病院・リハビリに行くのが楽しくなることのツールとしてデジタルアートを活用していきたいです」と、代表の岡氏。

続けることに苦難を感じやすいリハビリだからこそ、心から楽しんで取り組める環境をつくっていくことが大切なのかもしれません。

デジリハのプロジェクトは、一刻も早く開発環境を整えられるようクラウドファンディングに挑戦中。支援は、11月20日まで受け付けています。いつかデジリハが、日々リハビリに励んでいる子どもたちを笑顔にしてくれると期待したいですね。

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